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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 第168回

Nokia復活のAndroidスマホ、中国での初のフラッシュセールは完売

2017年01月26日 12時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ASCII編集部

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 Nokiaがスマートフォンでの再スタートを切った。1月19日、ブランドをライセンス契約をしているHMD Globalが中国で行なった「Nokia 6」初のフラッシュセールでは1分で完売となったようだ。これは第一弾にすぎず、2月のMWCではフラッグシップ機が登場する線も濃厚だ。

まずは中国で発売されたNokiaのAndroidスマホ「Nokia 6」

Nokia 6はすぐに完売、だが台数は公表せず

 2016年末より明言していたNokiaブランドのスマートフォンがついに発売された。Nokiaとの間で、Nokiaブランドの携帯電話の製造と流通についてライセンス契約を結ぶHMD Globalは、中国のECサイト、JD.comとの独占契約のもとでNokia 6のフラッシュセールを行なった。

 ET Telecomによると、最初の24時間で登録は25万件あったとのこと(合計の登録は100万を超えた模様)だが、フラッシュセールで用意した台数は公開されていない。

 Nokia 6はミッドレンジのスマートフォンで、Androidを採用したという点ではNokiaブランド初となる(Nokiaはデバイス事業を売却前に、Androidをベースとする「Nokia X Software Platform」を採用したエントリー機「Nokia X」を発表しているが、“Androidスマートフォン”と称する端末は今回が初)。

 フルHD解像度の5.5型ディスプレーを採用、Snapdragon 430にメモリーは4GB、ストレージは64GB。価格は1699人民元(約2万8000円)で、中国市場向けのスマートフォンとして開発された一台だ。

 なお、NokiaはHMD Global経由で2016年末にフィーチャーフォン「Nokia Series 30+」「Nokia 150」「Nokia 150 Dual SIM」も発表している。こちらは26ドルと廉価格帯で、アジア太平洋地域、インド・中東・アフリカ、それに欧州で展開する。

中国市場を再出発の場に選んだ理由

 Nokiaブランドが付いたスマートフォンは、Microsoftが昨年2月に発表したWindows Phoneベースの「Lumia 650」が最後となっていた。Microsoftは2014年にNokiaのデバイス事業を買収したものの、2015年夏には評価損を計上し、大きく規模を縮小している。

 フィンランドに残るNokiaは、デバイス事業をMicrosoftに売却時に交わした合意により、Nokiaブランドで競合のスマートフォンを提供することができなかったが、その合意期間が切れることが今回の再参入のタイミングとなる。

 HMD GlobalはNokiaブランドの携帯電話の製造を独占的に請け負う会社で資本関係こそないものの、プレジデントを務めるFlorian Seiche氏、CEOのArto Nummela氏、最高製品責任者のJuho Sarvikas氏など、元Nokiaの幹部がトップを固めている新興企業だ。

 ローンチは中国となったが、HMDでは2016年の中国のスマートフォンは5億5200万人、2017年には6億人規模に拡大すると見込んでいる。Nokia時代に制していた市場であり、ブランド力はまだまだ残っている。Nokiaは、市場の大きさ、競合ひしめくアクティブさから、中国を戦略的に重要な市場と位置付けているようだ。

 年始にAccentureが発表したスマートフォンのリバウンドを予想するレポートでも、中国市場のポテンシャルが伺える。世界26ヵ国での調査で「今年、新しいスマートフォンを購入する予定」とした人は、前年の48%から今回は54%に増加したとのことだが、なかでも中国の消費者は、それよりずっと高い74%が購入予定と回答したというのだ。

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