VRゲームではスイッチに触れたり、モノを掴んで投げるといった、リアルに近い動作で没入感を高めてくれるコンテンツが増えてきている。この点で一歩先んじていたのが専用のモーションコントローラーを同梱していたHTCのVIVEだが、Oculus Rift用の専用モーションコントローラー「Oculus Touch」の販売と出荷も始まっている。同社直販サイトで199ドル、日本円にして2万3000円前後と高価ではあるが、Oculus Riftを完全体にするためには必要不可欠なアイテムだ。
しかし、Riftでタッチ環境を用意していも、Radeon環境で快適に遊べなければ意味がない。そこで今回は、RX 480とOculus Rift+Touchを組み合わせ、どの程度ゲームが動くのかを検証してみた。
場所さえ確保できればあっけなく快適動作
今回検証に使ったシステムはLGA2011-v3版のCore i7-6900Kをベースにしたもの。ややCPUパワーが過大なように見えるが、ベース3.2GHz、ブースト時最大3.7GHzとクロックは控えめ。これを定格運用するためゲームによっては現在主力のCore i7-7700Kよりも瞬発力は控えめだ。これにASUS製のRX 480カード「STRIX-RX480-O8G-GAMING」とOculus Rift+Touchを組み合わせて環境を構築した。
Touchそのもののセットアップは画面の指示に従いつつ作業するだけと簡単。ただし、2基のカメラは1メートル程度離して設置する必要があるため、場所の確保がネックになるだろう。Riftのセンサーを机の奥側に設置すると、Touchを机板より下に下げた時に反応しなくなるため、設置場所はある程度広くないといけない、というのが現状のTouchの弱点といえる(この点はVIVE方式の方が優れている)。
Touchのセットアップが終了すると、即座にチュートリアル的なアプリが起動する。手始めに最初にプレイすることになる「Oculus First Contact Demo」で挙動をチェックしてみた。「Fraps」を導入し、デスクトップ上に出現したライブビュー映像(ヘッドセット内のフレームレートとほぼ同期する)のフレームレートをチェックした。以下スクリーンショットメインでお伝えしたい。
そろそろオンラインで購入できるゲームで検証しよう。まずはOculusにおいてTouch対応タイトルと明示されている「SUPERHOT」を試してみた。ゲーム内容はこちら(http://ascii.jp/elem/000/001/135/1135282/)に詳しく載っているが、自分が動いている間だけ敵も動くという独特のゲームシステムの中で、いかに最適な行動がとれるかが生存の鍵となる。敵を倒すには銃で撃つほか、Touchコントローラーで敵に殴りかかる、手元にある皿等を投げて当てる等のアクションがとれる。Touchとの相性は最高だ。
ただ自分が動いている間だけしか敵は動かないので、敵が近寄るのを待つ時はEXILEよろしく頭をグリグリと回して時間を進める必要がある(もしくはもっと効率的なやり方を筆者が気づいてないだけかも……)というご愛敬な面もあるが、Touchを持っているなら一度はプレイすべきゲームといえる。
最後にもう少し描き込みのリアルなVRゲームとして「Arizona Sunshine」を試してみた。ゾンビが徘徊する世界を舞台にしたゾンビシューターだが、銃のマガジンを使い切ったらTouchコントローラーのボタンでイジェクトし、腰の高さに下げることでリロードなど、VRゲームならではの緊張感のある操作が楽しめる。
Oculus Rift+Touchの組み合わせでもRadeon RX 480がオススメ!
以上ざっくりとだが、RX 480とOculus Rift+TouchでVRゲームをいくつか試してみた。まだ本格的に重いTouch対応ゲームが見当たらない状況だが、今回遊んだ限りではRX 480で十二分に快適だ。Touchコントローラーの反応も、振り向きに対する追従性も全く問題ない。むしろプレイする場所の確保の方が辛かったほどだ。
Oculus Touch対応のゲームといえば、アダルトVRゲームが密かに話題となっている。特に来月2月28日に発売を予定しているイリュージョンの「VRカノジョ」は、VIVEの専用コントローラーとOculus Touchにも対応し、キャラクターに触ることができる。ベンチマークでは高解像度設定だと大分フレームレートが落ちるので、製品版もかなりパワーが必要な可能性がある。そのため、現状VRのゲームが余裕で90HzでプレイできコスパのよいRX 480を選んでみてはどうだろうか?
(提供:AMD)