クラウド型サービス管理基盤でワークフローを一元管理、標準化や効率化を実現
「ServiceNow」がカスタマーサービス、セキュリティ運用にも拡大
2016年12月07日 07時00分更新
ServiceNow Japanは12月6日、クラウド型サービス管理プラットフォーム「ServiceNow」において、新たに国内提供を開始したカスタマーサービスマネジメント、セキュリティオペレーションマネジメントの両サービスに関する説明会を開催した。
ServiceNowは、企業内のさまざまなサービス業務ワークフローを単一のクラウドプラットフォームに一元化することで、ワークフローの標準化や効率化、サービスの均質化、レポーティングの自動化などを実現するサービス。
もともとはITIL準拠のITサービスマネジメント(ITSM)アプリケーションとしてスタートしたが、その後、ベースとなるサービス管理プラットフォームを転用し、総務/経理/人事/法務/マーケティング/フィールドオペレーションなど、他の業務のワークフローにも適用できるよう機能を拡充してきた。
ServiceNow Japan社長の村瀬将思氏は、ServiceNowでは、これまでメールや電話ベースで行われてきたサービス業務のかたちを変革していくと説明する。サービス要求者/承認者/提供者の全員が、メール/電話ではなく一元化されたクラウドアプリケーションを利用してワークフローを進めることで、業務を効率化し、進捗や全体像の把握も容易になる。「これで、企業における働き方をトランスフォーメーションする」(村瀬氏)
今回、その新たな適用業務としてカスタマーサービスマネジメント、およびセキュリティオペレーションマネジメントが追加された。これは7月にリリースされたServiceNowの新バージョン(Helsinki)で追加されたもので、日本語化など日本市場向けの調整を経て12月から本格展開を開始している。
ServiceNowのカスタマーサービスマネジメントアプリケーションでは、CRMによる従来のそれとは異なり、根本原因(問題)の追及や、具体的なサービスオペレーション、フィールドサービスまでの管理機能を一貫して提供するのが特徴だ。
具体的には、顧客向けのセルフサービス型サービスカタログ(ポータル)、CMDB(構成管理データベース)を用いたインストールベースのトラッキング、ナレッジベース(問題管理)による根本原因の識別、フィールドサービスマネジメントなどの他アプリケーション連携によるエンジニアのアサイン、集約された問題の傾向分析、といった機能が提供される。
村瀬氏は「日本の顧客もこうしたカスタマーサービスマネジメントに興味を持っている」と述べ、すでに国内でもIT関連の大手企業で導入されていることを明かした。
もうひとつのセキュリティオペレーションマネジメントアプリケーションでは、企業内のネットワークセキュリティ製品やSIEM、脆弱性情報提供サービス、脅威情報(インテリジェンス)提供サービスなどからAPIを通じて情報を収集し、インシデント発生時や脆弱性発見時の対応ワークフローを管理できる。
ServiceNowによると、たとえば新たに公開された脆弱性情報を取得し、CMDBと照合して該当製品があれば自動的にワークフローを走らせて、IT管理者やセキュリティ担当者に対応を促すこともできるという。
村瀬氏は、現在のセキュリティ担当者は、個々のセキュリティ機器やSIEMが発する大量のセキュリティアラートに見舞われ、疲弊しており、その一方でインシデント発生や脆弱性への対応は遅延しがちであると説明。現在、最大の課題は「検知後の対応を迅速化すること」であり、ServiceNowがそれをサポートすると説明した。