このページの本文へ

企業のサービス業務ワークフローを統合するプラットフォームに「予測」力を追加へ

ServiceNow、機械学習エンジンの組み込みなど新機能発表

2017年06月05日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 ServiceNow Japanは6月1日、同社社長の村瀬将思氏が出席して記者説明会を開催し、5月に米国で開催されたグローバルの年次プライベートイベント「Knowledge17」で発表した新戦略や新機能などを披露した。

ServiceNow Japan 社長の村瀬将思氏

 ServiceNowは、企業内のさまざまなサービス業務ワークフローを単一のクラウドプラットフォームに一元化し、ワークフローの標準化や効率化、サービスの均質化、レポーティングの自動化などを実現するサービス管理プラットフォームだ

 ServiceNowのサービスは、当初はITサービスマネジメント(ITSM)領域からスタートした。現在では同じプラットフォーム上で、セキュリティ(インシデント管理)、カスタマーサービス、人事と、幅広い業務ワークフローを管理できるようサービスを拡大している。2016年の売上高は13億9000万ドル以上で、年率40%以上の成長を達成している。「顧客の契約更新率は97%、つまりほとんど解約されないというのが特徴」(村瀬氏)。

ServiceNowのサービス構成。同じプラットフォーム上でITサービス、セキュリティ、カスタマーサービス、人事の管理サービスを提供している

 今年4月には、ServiceNowの新しい社長兼CEOとしてジョン・ドナホ(John Donahoe)氏が就任している。ドナホ氏は2008~2015年の期間、大手ECサイトのeBayで社長兼CEOを務めていた人物である。村瀬氏は、ドナホ氏の抜擢は、創業時からの企業理念を引き継ぎながらも、新しいテクノロジーを積極的に採用して「コンシューマライゼーションを推進するため」のものだと説明した。

顧客のデジタル変革支援、新たに機械学習エンジンを組み込む

 Knowledge17では、顧客が直面する重要課題「デジタルトランスフォーメーション(デジタル変革)」にServiceNowが寄与していくための「3つの方向性」がドナホ氏から示された。IT部門における「簡素化と自動化」「すぐれたユーザー体験のデリバリ」そして「イノベーション、先進化」を、ServiceNowのサービスがサポートしていくという。

新CEOのもとServiceNowが注力していく「3つの方向性」

 このうち「簡素化と自動化」「すぐれたユーザー体験のデリバリ」については、これまでServiceNowが提供してきたサービスの延長線上にあるものであり、今後もその方向性を堅持、発展させていく。

 今回のKnowledge17では、ユーザー企業が察知したセキュリティ脅威について、他のServiceNowユーザー企業との情報共有/受信やリスク評価などを可能にする「Trusted Security Circles」、AWSやAzure、VMwareなどのサービスカタログを社内向けに提供できる「Cloud Management」を新たに発表している。

 そして、3つめの方向性となる「イノベーション、先進化」においては、蓄積されたデータに基づいて事前予測を実現する機械学習エンジン「Intelligent Automation Engine」を、ServiceNowプラットフォームに追加することを発表している。

 Intelligent Automation Engineを活用した具体的な機能としては、サービス障害を防止する「異常検知機能」、過去のワークフローパターンに沿って従業員のリクエスト分類やタスク設定、適切な担当者へのルーティングなどを自動化する「インテリジェンス機能」、同じ規模や同じ業界の企業と自社パフォーマンスを比較できる「ベンチマーク機能」、パフォーマンス目標の達成時期を正確に判断できる「パフォーマンス予測機能」が挙げられている。

機械学習エンジン「Intelligent Automation Engine」で実現する4つの機能

 村瀬氏は、ServiceNowではこの半年間、DxContinuum社やQlue社の買収、BuiltOnMeへの投資など、機械学習分野へのM&Aフォーカスを強めてきており、そこで獲得した技術をプラットフォーム上で実装していると説明した。

 また、顧客自身が蓄積してきたデータから学習する方法だけでなく、ServiceNowユーザー企業から提供を受けたデータに基づいて学習を進めたモデルを提供するケースもあるという。

 「これまでは属人的な『経験則』で回していた業務も、業務環境の変化が激しい現在では、だんだん通用しなくなっている。機械学習を使うことで、潜在する因果関係を自動抽出し、『パターン』をいち早くつかむことが可能になる」(村瀬氏)

変化の乏しいかつての業務環境では「経験則」も通用したが、ダイナミックな変化が生じる今後の環境では機械学習が「絶対に必要」だと述べた

 なお、今回発表されたTrusted Security Circles、Cloud Management、Intelligent Automation Engineは、いずれも7月半ばにリリースされる次期バージョン(Jakartaリリース)のプラットフォームで提供される。

 村瀬氏は「ServiceNowが考える企業の理想像は“Lightspeed Enterprise”だ」と語った。迅速な業務、迅速な改革を実現する企業のサポートをしていく、という意味だ。同社が提供するサービスも、ITSM変革からIT全般の変革、企業全体の業務変革、そしてLightspeed Enterpriseの実現に向かっていくと、村瀬氏はまとめた。

■関連サイト

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

アクセスランキング

  1. 1位

    TECH

    フォーティネットの「SSL-VPN廃止」 IPsec移行と脱VPN、それぞれの注意点を総ざらい

  2. 2位

    ビジネス・開発

    いますぐ捨てたいITサービスは? AI推しにそろそろ飽きてません? 情シスさんのホンネを「ゆるっとナイト」で聞いた

  3. 3位

    ソフトウェア・仮想化

    「SaaSの死」の影響は感じない ― グローバル以上に好調な日本市場、ServiceNow鈴木社長が語る

  4. 4位

    sponsored

    完全自動運転の実現へ、チューリングが開発基盤にGMO GPUクラウドを選んだ理由

  5. 5位

    TECH

    「蟻の一穴」となるリモートアクセスVPNの脆弱性 ZTNA/SASEはなぜ必要か?

  6. 6位

    エンタープライズ

    基盤も古いし、コードも酷い! そんなクエストにGitHub Copilotで試行錯誤しまくった「みんな」こそ最高

  7. 7位

    ITトピック

    「AI導入で人員を減らしても収益は増えない」その理由/「専任情シス不在」中小企業の3社に2社/ユーザーアカウント流出が加速、ほか

  8. 8位

    デジタル

    海外駐在員の負担を軽減し、ワンチームへ kintoneは言語と文化の壁を越える「翻訳の魔法」

  9. 9位

    ビジネス

    医療費5兆円抑制につながる“国産ヘルスケア基盤”構築へ SMBC×富士通×ソフトバンクが業務連携

  10. 10位

    Team Leaders

    Power AutomateでSharePoint APIを使う ― SPOリストを自動作成するフローを作ろう

集計期間:
2026年05月16日~2026年05月22日
  • 角川アスキー総合研究所