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サードパーティとも連携する「データ管理プラットフォーム」へ、同社幹部に狙いを聞く

企業が保有するデータの「価値最大化」を、ベリタスの新戦略

2016年12月01日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp 写真● 平原克彦

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 シマンテックから独立し、事業を開始しておよそ10カ月。ベリタステクノロジーズ(Veritas Technologies)は、バックアップ製品を中心とした「データ保護製品ベンダー」から、より積極的なビジネス価値を生む「データ管理プラットフォームベンダー」へと進化しようとしている。

 来日した同社幹部のスコット・アンダーソン氏に、独立後の変化や顧客の反応、「データ管理プラットフォーム」を構成する新たな製品群、そしてこれからの事業の方向性について聞いた。

米ベリタステクノロジーズで情報保護ソリューション担当SVPを務めるスコット・アンダーソン(Scott Anderson)氏

ベリタスは「データ管理プラットフォームベンダー」へと進化しようとしている

「情報ガバナンスの確立」が顧客にも浸透し始めた理由

――独立後、“新生ベリタス”では一貫して「情報ガバナンス(Infomation Governance)」の確立を企業に訴えてきました。情報ガバナンスというコンセプトは、顧客には浸透してきたでしょうか。

アンダーソン氏:顧客の理解は徐々に進んでいると感じている。特に大きなきっかけとなったのは、個人情報保護ルールを定めたEU(欧州連合)の「EUデータ保護規則(GDPR)」(今年5月に発効)ではないか。

 この種の規制では、データに個人情報が含まれているかどうか、個人情報を含むデータならばどこに保存されているか、どう国境を越えて移動しているのか、といったことを企業自身が把握し、明示しなければならない。そのため、多くの企業において、的確なデータ管理と情報ガバナンスの徹底が、より緊急性の高いテーマとなっている。

 今後はEU圏外でも、こうした規制が企業や政府機関にとっての課題となってくるだろう。機微情報を含むデータがどこに存在しており、どのように移動させられ、誰がアクセスや修正をしているか、といったことを把握する能力が求められるようになってきているわけだ。

――情報ガバナンスの確立というコンセプトは「ストレージコストの削減」が主目的かと思っていましたが、そうした「新しいタイプのビジネスリスク」の低減、という意味合いもあるのですね。

アンダーソン氏:そうだ。加えてもう1つ、「ビジネス価値の提供」という目的もある。

 情報ガバナンスを確立し、社内にどのようなデータが存在するのかを把握することによって、データを新たな売上の源泉にしたり、新たなサービス展開の出発点とすることができる。こうしたビジネス価値の提供も、情報ガバナンスが生み出すメリットだと言えるだろう。

“企業データ管理基盤”の実現に向け、幾つかのテーマに取り組んでいる

――さて、事業開始から10カ月ほど経ちましたが、現在のベリタスはどう変化しており、さらに今後どのように変化していくのでしょうか。

アンダーソン氏:ベリタスは、従来のデータ保護製品ベンダーから「エンタープライズデータ管理プラットフォーム」の企業へと変革を遂げている最中だ。その変革を実現するための過程として、幾つかの新たなテーマを掲げ、新製品リリースなどの取り組みを行っている。

「エンタープライズデータ管理プラットフォーム」の実現(右端)に向けて、幾つかのテーマを掲げている

 「クラウドデータ管理」というテーマでは、データ保護のためのクラウドストレージ、オンプレミスからクラウドへのデータ移行、クラウドのDRサイト化、クラウド上で稼働するアプリのデータ保護、といった課題に取り組んでいる。ここで言う「クラウド」は、パブリック、プライベートの両方を指す。

 「360°のデータ管理」というテーマでは、「データの可視性」「事業継続性」「データアクセス」といった課題に取り組む。そして、将来的には「インテリジェントなデータ管理」環境の実現へと向かっていく。

 こうしたテーマと課題に即したソリューションを、統合的な「プラットフォーム」上で提供していく。これが、エンタープライズデータ管理プラットフォームの提供企業というベリタスのビジョンだ。

――それぞれのテーマに対応する新製品は、すでにリリースされているのでしょうか。

アンダーソン氏:すでに出ているので、幾つか紹介したい。

 「クラウドデータ管理」では、OpenStackのストレージ環境を強化するSDS(Software-Defined Storage)製品、「Veritas HyperScale for OpenStack」をリリースした(日本では早期導入プログラムを実施中)。OpenStack環境でエンタープライズアプリケーションを稼働させるためには、エンタープライズストレージに匹敵するパフォーマンスや可用性、そして高度な機能が必要になる。HyperScaleは、それを実現するSDSだ。

 「360°のデータ管理」においては、すでに「Information Map」を提供している。これはバックアップアプライアンスの「NetBackup」に対応し、NetBackupに保存されているデータのメタデータ(最終アクセス日時、容量、アプリ種別、所有者など)を多角的に分析、可視化する。これにより「消去していいのはどのデータか」「アーカイブすべきものはどれか」といった検討が容易にできるようになり、ストレージコストの最適化とリスク低減とを両立させる。

「Information Map」のダッシュボード画面。ファイルの保存期間やサイズ、アプリケーションタイプなどを統計/可視化する

 同様に、NetBackupと連携する「Veritas Resiliency Platform(VRP)」や「Veritas Velocity」といったソリューションも提供している。VRPは、複雑化したアプリケーションの事業継続性を保証するもので、RTO(リカバリ時間目標)やRPO(リカバリポイント目標)を制御できる。またVelocityは、NetBackupに保存されたバックアップデータのコピーを、開発/テスト環境やデータサイエンティストの作業向けに、安全に提供できるソリューションだ。

バックアップ環境への投資と保管データの「価値最大化」がひとつの方向性

――NetBackupとの連携製品が目立ちますね。バックアップ/リカバリ以外の目的にも拡大している点も興味深いです。

アンダーソン氏:こうしたツールと統合することで、顧客はNetBackupへの投資をフルに生かすことができる。さらに言えば、NetBackupが管理/保護しているデータの価値も高まるわけだ。

NetBackupはバックアップ製品だが、新たなツール群を追加することで、NetBackupへの投資とデータそのものの価値を高める戦略

 ベリタスではこうした製品間の連携/統合作業を進めており、先に述べたとおり、これらを包括的な「プラットフォーム」として提供していく方針だ。ベリタスの製品だけでなく、サードパーティ製品との連携も可能になるよう、NetBackupのAPI拡充も図っている。

――サードパーティ製品との連携ですが、具体的にどんな製品と連携するのでしょうか。いくつか例示していただければ。

アンダーソン氏:より多様なNetBackupのAPIを公開していく、というのがまず出発点になる。そのうえで、さまざまな連携が考えられる。

 たとえば「Backup-as-a-Service」の事業者(サービスプロバイダー)がアプリケーションを開発し、バックエンドのNetBackupをコントロールするためにAPIを使うことが考えられる。

 またNetBackupのメタデータに、APIを介して安全なかたちでアクセス可能にすることで、ビッグデータ解析をすることも可能になるだろう。ビッグデータ解析だけでなく、機械学習や人工知能のテクノロジーを持つパートナーによるソリューション開発の可能性も生まれる。

 加えて、セキュリティ製品との連携も考えられる。セキュリティポリシーの担当者が、セキュリティという視点からデータ管理プラットフォームにアクセスし、ポリシー適用していくようなものだ。

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