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無駄なコストの発生だけでなく、コンプライアンス/セキュリティリスクの増大も

やめられない「データ溜め込み」8割超の企業が自覚、ベリタス調査

2016年12月05日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 ベリタステクノロジーズは12月1日、日本を含む13カ国で1万人超の企業IT意思決定者/従業員に実施した「データの溜め込み」に関する意識調査の結果を発表した。企業内の保管データの状況を可視化する「Information Map」の提供開始も発表している。

ベリタステクノロジーズ 常務執行役員 テクノロジーセールス&サービス統括本部の高井隆太氏

 同レポートの正式名称は「データ ホーディング レポート」。ホーディング(Hoarding)とは、何かを「溜め込む」行為を指す。データを溜め込む人は「データホーダー(Data Hoarder)」と呼ぶ。

「データの溜め込み」はコンプライアンス上のリスクも増大させる

 ベリタスは過去の調査発表で、企業のストレージには過去何年間もアクセスされていない無用のデータ、あるいはビジネス価値があるのかどうかわからない「ダークデータ」が大量に溜め込まれている実態を明らかにしてきた。今回の調査は、そうしたデータに対する企業のIT担当者(IT意思決定者)、そして従業員の意識について考察したものだ。

 ベリタスの高井隆太氏は、今回の調査結果からは大きく2つ、「デジタルデータを溜め込む習慣は、世界中のあらゆる企業に蔓延している」こと、「データ溜め込みによって、企業は深刻なリスクにさらされている」ことが明らかになったと説明する。

ベリタス「データ ホーディング レポート」はWebで公開されている

 調査によると、IT意思決定者の83%(日本:73%)が「自分の会社がデータを溜め込みすぎている(データホーダーである)」と考えている。そして、かく言うIT意思決定者自身も、82%(日本:75%)が自らをデータホーダーだと認識している。ちなみに、データホーダーを自認する一般職従業員の割合は62%だ。

多くの企業、従業員が「データホーダー」を自認している

 こうして溜め込まれるデータには、顧客の個人情報やビジネス上の機密情報、さらに従業員が私的に保有している不適切な情報なども含まれる可能性がある。したがって、データホーダーの問題は単に「ストレージ容量が無駄になる」「データ保護に無駄な手間とコストがかかる」ことだけでなく、「コンプライアンス上、ビジネス上のリスク増大につながる」こともある。

 今回の調査によると、回答者全体の96%(日本:89%)は不要な私的ファイルを自社のストレージに保存しており、また全体の86%(日本:65%)は、暗号化されていない個人情報や企業機密、他社への応募書類、同僚との不適切なやり取りなど、自社や自身のキャリアにとって好ましくないデータを保存していることを認めている。そして、IT意思決定者の86%(日本:81%)が、保存データがこのまま増え続けると情報漏洩への対応時間がさらに増えると回答している。

データの溜め込みは、無駄なコストの増加をもたらすだけでなく、企業ビジネスへの直接的なリスクも増大させる

 しかし、こうした問題への危機意識は必ずしも高くないことも、調査により明らかになっている。IT意思決定者の82%(日本:78%)は「IT担当以外の役員はこの問題の深刻さを理解していない」と回答している。そのため、73%のIT意思決定者は「データ管理ポリシーを成功に導くための時間やリソースが与えられていない」と感じているという。

しかし企業幹部の危機意識は薄く、従業員自身が習慣を変えるのも難しいのが実情

 ちなみに、従業員がデータを捨てられない理由の上位は「いつか必要になるかもしれない」「保管/削除の判断が難しい」「自分がデータを溜め込んでも問題は起きない」などで、企業内の統一的なデータ保管/破棄ポリシーが必要であることがわかる。また高井氏は、「ストレージへのデータ保管コストが無料、もしくは極めて安いという思い込みもあるのではないか」と指摘する。

従業員がデータを捨てられない理由

企業の“データ断捨離”を支援、可視化ツール「Information Map」提供開始

 こうした課題への対応として高井氏は、企業は個々のデータの保持が必要か不要かをはっきりと判断し、データの破棄やアーカイブへの移動などを実施する“データ断捨離”を進めるべきだと語った。そして、それを実現するためのポイントを5つ挙げた。

 「個々の従業員の行動がデータを溜め込むことにつながるので、企業内の仕組みだけでなく、文化や行動まで変えていく必要がある。また、誰がデータのオーナーなのか、責任範囲も明確にしなければならない。そして、データ管理の全体状況が可視化できなければ、行動にはつながらない」(高井氏)

“データ断捨離”5つのポイント。ツールや社内ポリシーなどを用意して、最終的には従業員の行動を変えていく必要がある

 こうした課題に取り組む企業を支援するためのツールとして、ベリタスでは新たに「Infomation Map」の提供を開始している。これは、企業のストレージから保有データ(非構造化データ=ファイル)のメタデータを収集し、利用頻度や保管期間、オーナー、データの種別、容量など、多角的な視点で可視化するクラウドサービスである。

 高井氏は、このInformation Mapを活用することで、たとえば利用頻度の低いサーバーや共有を破棄したり、古いデータを特定してアーカイブストレージに移動したりすること、電子メールのアーカイブファイル(OutlookのPSTファイル)を特定して電子メール用アーカイブへの移行を促すことなどの作業が、簡単にできると説明した。

「Information Map」の概要

 説明会のデモでは、全世界に点在するストレージ群から「5年以上変更されていないデータ」や「オーナー不明のデータ」を抽出し、そこからドリルダウンしてストレージ使用量や利用頻度、データの所在地、オーナーなどが即座に可視化/レポート化される様子が披露された。

 なお現状では、Information Mapがメタデータを収集できるのは、ベリタスのバックアップアプライアンスである「NetBackup」からのみとなっている。今後、ベリタスのアーカイブ製品(Enterprise Vault)やサードパーティのストレージ製品、クラウドストレージサービス、さらにOSのファイルシステムからもメタデータが収集できるよう、対応を拡大していく方針だという。

現状ではNetBackupからのメタデータ収集のみだが、今後さらに対応を拡大していく

 Information Mapの定価(年間サブスクリプション価格、税抜)は、可視化対象のデータ1TBあたり10万2000円。2カ月間、対象データ100TBまでの無償トライアルも用意している。

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