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山谷剛史の「アジアIT小話」 第134回

AMDがライセンス供与する中国製x86 CPUを振り返る

2016年11月10日 12時00分更新

文● 山谷剛史

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ホテルのフロントに設置された客操作用PC端末。OSはWindowsであり、x86 CPUのニーズがある

ホテルのフロントに設置された客操作用PC端末。OSはWindowsであり、x86 CPUのニーズがある

 今年の4月、AMDが中国企業の「天津海光先進技術投資(THATI)」と合弁会社を設立し、x86 CPUの重要技術をライセンス供与すると発表した。

 合弁会社は中国向けのサーバーチップを開発し、AMDは2億9300万ドルのライセンス料と、加えて今後は売上分のライセンス料を得る。中国サーバー市場ではインテルのシェアが高いが、そこに中国産CPU化でシェアを開拓する。

 中国企業がx86 CPUを開発し量産することができるというこのニュースは中国国内にとどまらず、中国国外でも報じられ、日本語でも翻訳された。

 今のところ、THATIからの中国製CPUは出ていないが、スパコンで知られる「曙光」が海光株の74%をもっているため、曙光から中国製CPUが搭載された製品が出てくるかもしれない。

 このニュースを読む限り、これがAMDが中国企業と提携する初めてのケースのように読める。しかし、その前からAMDからライセンス供与を受けたという中国企業があり、中国製x86 CPUを発表している。

2010年からx86 CPUをリリースしている「北大衆志」

 「北大衆志」という企業がそのうちのひとつ。同社は2005年10月にAMDからライセンスを供与をされたとし、「これはアメリカ政府が許可した初めてのx86の重要技術のライセンス供与である(人民日報)」としている。

「PKUnity86-2」と「PKUnity86-3」

 北大衆志は今もウェブサイトが存在しており、サイトを見る限り「PKUnity86-2」と「PKUnity86-3」というx86 CPUと、独自開発のCPUがラインアップされている。

 最初に出たのは“天道”「PKUnity-3(65)」という製品で、2010年にリリース。クロック数は1~1.5GHzで1.2GHzの際のTDPは4W。

 「PKUnity86-2」は2012年リリース。65nmプロセスで、クロック数は1.1GHz、TDPは4Wと低消費電力を目指した製品のようだ。

 次に出た「PKUnity86-3」は2014年にリリース。40nmプロセスで、クロック数は1.8GHz、TDPは5W。

 いずれもAMDからのライセンスらしく、「MMX」ほか「3DNow!」にも対応する。詳しいスペックは同社サイトに掲載されているので興味がある人はそちらを見て欲しい。

 また、同社製CPUを搭載した小型PCや、モニター一体型PCもリリースされている。だが残念ながら「何でも買える」をうたう淘宝網(Taobao)においても、その製品を見つけることはできず、購入者のレビューブログなども確認できなかった。

 この北大衆志は2015年12月、内陸蘭州にある生地製造メーカーの「三毛派神」に買収される。

 なんでも本業の生地が不振な中で、CPUに活路を見いだすのだとか。ただその活路を見いだすCPUというのが、三毛派神の6月の発表によると、x86ではなく独自開発のCPU「UniCore」やSoC方面とのこと。「PKUnity86」の展望は暗そうだ。

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