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Microsoft Tech Summit 2016基調講演(前編)

セキュリティと管理の課題、マイクロソフトはこう切り込む

2016年11月02日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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Azureで実現するハイブリットクラウドの管理をデモを披露

 続いて澤氏は2つ目のトピックである「管理」でWindows Server 2016にフォーカスを当てる。登壇したテクニカルエバンジェリスト 高添 修氏は、10月に提供開始したWindows Server 2016の強化点について「OSレベルのセキュリティ」「Software-Defined DataCenter」「クラウドレディアプリケーションプラットフォーム」の3つを挙げた。また、Azureがパブリッククラウドのみならず、オンプレミスで展開できる「Azure Stack」まで巻き込んだ包括的なクラウドブランドになったことを説明した。

日本マイクロソフト テクニカルエバンジェリスト 高添 修氏

 続けて、高添氏はWindows Server 2016のNano Serverで構築されたIISを誤操作で削除してしまったというシナリオで、再度Nano Serverを立ち上げるデモを披露。「.NETのアプリケーションをコピーするようなイメージで、すぐにサーバーを立ち上げられる。インフラエンジニアが求めるのは、このスピード感です」(高添氏)とのことで、マイクロ化したサーバーの手軽さやスピード感を聴衆に見せつけた。

 続いて披露したのは、Windows Server 2016をベースにしたハイブリッドクラウド。パブリッククラウドのMicrosoft Azureを高添氏、オンプレミス用のAzure Stackをテクニカルアーキテクトの加藤健二氏がそれぞれ操作し、並べたGUIで同じようにBLOBストレージが作成できるデモを行なった。続いて両氏は、PowerShellを使って、ストレージ内にファイルをコピーするデモを披露。オブジェクトとして保存されているファイルのURLをWebブラウザに張り付けて、聴衆に画像を披露した。

左側が高添氏が操作するAzure、右側が加藤氏が操作するAzure Stack。ローカルか、クラウドのリージョンかだけかで、両者に大きな操作の違いはない

 さらに両氏は、Visual Studioのエディタで自動的に環境を作るデモを披露。プロジェクトを新規に作成し、Azureリソースグループを開くと、GitHub上のテンプレートが選択できる。「しかもAzureだけじゃなく、Azure Stackのテンプレートも出てきている」(高添氏)とのことで、環境構築まで一気に進めた。高添氏は、「このようにさまざまな環境から自動的に管理できるようになるというスピードと柔軟性は、これからみなさんがやる仕事の流れを変えることを理解してもらいたい」と締めた。

「インフラを面白くする可視化」をOMSで実現

 続いてOMS(Operation Management Suite)による可視化で「かっこいい運用」を実現したエイアンドティの事例が披露された。運用を担当したビットアイルエクイニクスの橋本氏は、エイアンドティの事例を通して「インフラを面白くしたい」というテーマを追求してきたと語り、OMSでの可視化画面を披露した。

ビットアイル・エクイニクス 営業本部 セールスエンジニアリング部 テクニカルマネジャー 橋本利一氏

 インフラを面白くするために必要だったのは、「可視化すること」「柔軟性の高いシステムに変えること」「恩恵を受け続けること」の3つ。このうち可視化を実現するOMSの導入により、運用のミーティングが面白くなってきたという。橋本氏は、「まず画面がカッコイイので、気分が上がる。マイクロソフトのナレッジメントが反映されたアセスメントで、推奨されるアクションが優先度とともに表示されるので、専門家が必要ない」とのことで、緊急度の高い赤いスコアの部分を優先して、対策を打てる。また、セキュリティに関しても同様のアナリスティック機能を持っており、マイクロソフトが収集した情報を元に、ボットから攻撃などをリアルタイムに可視化できるという。

かっこいい運用の一翼を担うOMSのGUI

 リアルタイムなデータを見ながら運用ミーティングが行なえるのもメリット。「通常、エンタープライズの定例会では、先月のデータを紙で出力しているが、エーアンドティさんはリアルタイムにデータを比べている」と橋本氏は語る。ここで活躍しているのがBIツールのPowerBI。「担当者別にダッシュボードを提供できること、出力ではなく、リアルタイムにデータが同期している点が大きい」と橋本氏はアピールする。さらにモバイルでチェックすることで、トラフィックや負荷の傾向を日常的に意識できるという。

 イノベーションをテーマに1時間を費やした後半は、別稿にて掲出する。

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