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デバイス、OS、サービス、クラウドまですべて「マルチ」なクラウド構想

Windows Server 2016やOMSが実現するハイブリッドクラウドの現実解

2016年10月21日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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10月19日、日本マイクロソフトはプレスセミナーを行ない、Windows Server 2016、Operations Management Suiteを中心にしたハイブリッドクラウドを実現する製品・サービスについて説明を行なった。なお、発表会は「働き方改革週間2016」期間中であることを受けて、Skype for Businessを用いたオンライン形式でも行なわれた。

幅広いデバイス、OS、サービス、クラウドで統合した運用管理を実現

 冒頭、登壇した日本マイクロソフト クラウド&エンタープライズビジネス本部 エグゼクティブプロダクトマネージャーの岡本剛和氏は、同社のハイブリッドクラウド戦略について説明した。マイクロソフトは、さまざまなデバイスやOS、サービス、クラウドをまたいで共通の管理インターフェイスやシステム連携を可能にする「Intelligent Cloud Platform」のコンセプトを掲げている。自社のプロダクツにこだわらず、幅広いプラットフォームで統合的なクラウド環境を実現するのがマイクロソフトの方向性だ。

Intelligent Cloud Platform

 一方で市場のニーズはどうか? 岡本氏は、クラウドファーストの潮流が鮮明になってきた昨今の市場動向を鑑み、クラウドネイティブな最新アプリの開発、オンプレミスと共存できるハイブリッドクラウド、柔軟なインフラストラクチャ、仮想化と標準化などがユーザーに求められていると指摘した。

 こうした中、マイクロソフトのハイブリッドクラウドの特徴は、インフラのみならず、PaaS、SaaSなどマルチレイヤーで提供できる点が最大の売りだという。また、オンプレミスやクラウドで培ったスキルやノウハウを利用できるのも大きな売りになる。

マルチレイヤーでのハイブリッドクラウドを提供する

 こうしたクラウドファーストの時代で生まれたのが、10月から一般提供開始されたWindows Server 2016だ。ハイブリッドクラウドを体現するWindows Serverの位置づけについて、岡本氏は「既存の資産を活かしつつ、クラウドのイノベーションを取り込んで、オンプレミスでホストすること」と定義する。

クラウドネイティブを前提に進化を遂げたWindows Server 2016

 続いて登壇した高添氏は、Windows Server 2016のコンセプトについて「セキュリティ」「SDDC」「クラウドレディアプリケーション」の3つを挙げる。

Windows Server 2016の3つのコンセプト

 まずセキュリティに関しては、Windows 10と共通のコアを用いることで、OSへのセキュリティの組み込みを一層強化しつつ、IDや仮想化プラットフォームの保護についても機能強化が図られたという。仮想化環境に関しては、ハードウェアルートでのセキュリティが確保されたほか、仮想マシンの暗号化や適切なホストで動作できるガーディアンサービスも用意される。また、ジャストインタイム管理と呼ばれる特権管理が用意され、一時的な管理者権限の利用が可能になったほか、クレデンシャル情報の保護、ファイル単位での機密情報も強化され、クラウド運用を前提とした強固なセキュリティが実現された。

Windows 10と共通のコアを用いた高いセキュリティ

 2つ目のSDDCはおもにDataCenter Editionの大規模な仮想化環境を前提とした拡張で、Azureで培ってきた技術をOSに取り込んだものだ。コンピュートにあたるHyper-Vではスペックを大幅に更新したほか、メモリやvNICの動的変更機能が強化された。また、外付けストレージなしで、マルチノードの階層化ストレージを構成し、ハイパーコンバージドインフラと同じような性能や可用性、容量効率を実現できるストレージ機能も搭載。さらにAzureでの運用を元にコントローラーから仮想マシン、NFV、IPアドレス、ACLなどを柔軟に制御できるSDN(Software-Defined Networking)の機能もますます強化された。

Windows Server 2016が実現するハイパーコンバージドインフラ

 3つ目のクラウドレディアプリケーションという観点では、Just Enough OSというコンセプトのNano Serverを提供。追加で必要なバイナリを外部に持たせつつ、インストーラーやドライバー、ASP.NETやPHP、node.js、Go、Java、Rubyなどの言語や各種データベースをサポートするという。また、Docker準拠のコンテナ技術も標準搭載しており、DevOpsやImmutable Infrastractureの実践に最適な環境を提供するという。

Nano Serverとコンテナへの対応

 Windows Server 2016の一般提供は10月から開始しており、SOHO向けの「Essential」、非/少仮想化環境の「Standard」、大規模仮想化環境向けの「DataCenter」の3つのエディションで提供されている。これにSystem Center(Standard/DataCenter)を加えることで運用管理の効率化やセキュリティの強化、オーケストレートなどが可能で、さらにOperations Management Suite(OMS)を追加することで、ハイブリッドクラウドの統合管理が実現されるという。

Windows Server 2016のおもなエディション

 なお、Windows Server 2016はデル・EMC、NEC、日立製作所、HPE、富士通、レノボなどのOEMベンダーが対応を発表しており、年内から年明け早々にかけて順次対応の予定だという。

ハイブリッドクラウドを現実化するOMSの価値

 OMSに関しては、クラウド&エンタープライズビジネス本部 シニアプロダクトマネージャーの冨永晶子氏が説明を行なった。

OMSの主要な機能

 OMSはマルチOS、マルチクラウド対応の運用管理サービス。目玉となる「Insight&Analytic」の機能ではオンプレミスのWindowsやLinux、VMware、OpenStackなどのOS・プラットフォームの情報を直接接続、エージェント、System Center経由で収集。また、Microsoft AzureやAWSなどデータはAPI経由で集め、一元的に管理・分析する機能を提供する。各種ログやパフォーマンスを調べたり、構成変更の履歴や設定情報の分析結果・推奨事項をチェックできるほか、全データを横断的に検索できるという。

OMSの代表的な機能であるInsight&Analytics

 また、収集したログデータを監査する「Security&Compliance」の機能も持っている。Azure Security Centerとも連携し、ダークネットやボットなど不正な相手との通信、ログインの失敗、パスワード変更なども一元的に管理できる。そのほか、ハイブリッドクラウドの管理タスクを自動化し、変更管理や構成管理なども視覚的に把握できる「Automation&Contcol」Azureと連携したバックアップやデータ保護、OSのアップデート管理も実現する「Protection&Recovery」などの機能もある。

 OMSは「Insight&Anasyltic」「Automation&Contcol」「Security&Compliance」「Protection&Recovery」など各サービスに対して、月額ライセンスが発生する形態。年間コミットやライセンス購入の場合、各機能に対応するSystem Centerの利用権も提供されるという。

ハイブリッドクラウドを促進するライセンスや施策も用意

 イベントではOMSのデモやWindows Server 2016やOMSのユーザー事例も披露。セキュリティやクラウド移行などのユーザーニーズに応えられる製品・サービスであることがアピールされた。

 また、販売施策についても披露され、2017年度はユーザーやパートナー・販売店に向けて全国セミナーを展開する。また、ハイブリッドクラウドへの移行を促進すべく、VMwareからHyper-Vへのマイグレーションや、StandardからDatacenterエディションの移行に対して、特別なライセンスを追加。日本におけるIT事業者のハイブリッドクラウド対応も進め、クラウド売り上げ50%という目標達成に邁進するという。

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