病因や疾患などに関わるさまざまな遺伝子の機能解明への応用が期待される
東京大学、生体外から光を当てて遺伝子のはたらきをコントロールする技術を発表
2016年10月11日 17時48分更新
東京大学と日本医療研究開発機構は10月11日、生体外から光を当てて遺伝子のはたらきをコントロールする技術を発表した。
東京大学大学院総合文化研究科の河野風雲特任研究員、岡崎里紗子大学院生、佐藤守俊准教授らと、コロンビア大学リハビリテーション再生医療学科・薬理学科の矢澤真幸助教授の共同研究グループは、微弱な光や短時間の光照射でもDNA組換え反応を極めて高い効率でコントロールできる技術の開発に成功した。
研究グループは、二分割して一時的に活性を失わせたDNA組換え酵素(Cre)に光スイッチタンパク質を連結し、光照射でDNA組換え反応をコントロールできる光活性化型Creの開発に成功した。このPA-Creを用いて、およそ30秒という短時間の光照射を、しかも生体外から行なうだけで、マウス生体深部の臓器における遺伝子のはたらきを高い効率でコントロールできることを示した。
この新しい技術は、今後病因や疾患に関わるさまざまな遺伝子の機能解明に貢献すると共に、遺伝子組換え技術の応用可能性を大きく広げることが期待される。