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リチウムイオン系二次電池よりも安価・高容量の可能性も

東京大学、高容量が期待できる新方式二次電池「デュアルイオン電池」を開発

2014年01月08日 13時58分更新

文● 行正和義

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デュアルイオン電池における化学反応

 東京大学大学院工学系研究科の研究グループは1月7日、従来とは異なる電極反応を利用した新方式の二次電池「デュアルイオン電池」の開発に成功したと発表した。

 開発したのは東京大学大学院工学系研究科 応用化学専攻の水野哲孝教授の研究グループ。「デュアルイオン電池」では正極材料中を酸化物イオン、電解質中は負極材料のイオンと、2種のイオンが移動するのが特徴。研究では正極として酸化鉄(IV)カルシウム(CaFeO3)、電解質としてナトリウムイオン(Na+)、負極 として金属ナトリウム(Na)を用いた。

 Na2O が生成する場合には、容量は 187mAh/gとなり、リチウムイオン電池正極のコバルト酸リチウム(LiCoO2、140mAh/ g)やリン酸鉄リチウム(LiFePO4、170mAh/g)よりも高い容量が期待できるという。なお、CaFeO3は毒性が小さく安価なため電極材料として大きな利点を持つが、鉄イオンが全て4価という高酸化状態なので従来は高温高圧(750~1100℃、数万気圧)で合成されいたが、研究にあたっては常温で合成する方法も確立した。

CaFeO3 正極の放電及び充電時の電位変化

 開発した二次電池は放電するとCaFeO3がCaFeO2.5に変化し、この化学反応では放出される電子数はリチウムイオン電池の6割程度だが、使用した材料は数十分の1という安価な構成なため、コスト当たりのエネルギー密度において大きな向上が期待される。

 従来のリチウムイオン電池やナトリウム電池では負極に適した正極材料を探す必要があったが、、デュアルイオン電池では同一の正極材料に対してリチウムやナトリウムを負極として利用できる。また、正極の材料として希少金属を含まない化合物が利用でき、従来のリチウムイオン電池のように毒性が高く、高価格なコバルトを使用しないなど安価に製造できるとしている。

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