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最強のウォークマン、ヘッドフォン、アンプを実機レビュー! 第3回

あらゆる音がDSDクオリティー! ソニーの27万円のヘッドフォンアンプ「TA-ZH1ES」

2016年09月14日 10時00分更新

文● 鳥居一豊

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フルデジタルにアナログアンプを組み合わせた
「D.A.ハイブリッドアンプ」

「D.A.ハイブリッドアンプ」の処理イメージ。デジタルアンプ部(紫)からの誤差信号をアナログアンプ(緑)で検出し、訂正を行なう

「D.A.ハイブリッドアンプ」の処理イメージ。デジタルアンプ部(紫)からの誤差信号をアナログアンプ(緑)で検出し、訂正を行なう

 TA-ZH1ESの中核であるアンプ回路について紹介しよう。一言で言えば、フルデジタルアンプの「S-Master HX」を搭載。技術的にはウォークマンで採用されているものと同じだ。

 しかし、TA-ZH1ESはこのフルデジタルアンプにアナログアンプを回路を組み合わせ、大出力時の歪みやデジタルノイズの低減を追求した「D.A.ハイブリッドアンプ」としている。

 この理由は、ヘッドフォンにはインピーダンスが数10Ωから数100Ωと極端に幅が広く、出力音圧レベルにも差があるため。

 一般に業務用モニターなどのハイインピーダンスのヘッドフォンは、一般的なヘッドフォンアンプでは鳴らしにくいと言われるが、インピーダンスが高いためアンプの負担が大きい。

 S-Master HXはフルデジタル処理により、原理的には信号劣化のない信号増幅が可能だが、大出力再生時やアンプの負担が大きいモデルを組み合わせたときには、理想となる波形出力ができずに、歪みやデジタルノイズの原因となってしまう。

 そのため、S-Master HXのマイナス信号の出力にアナログアンプ回路を組み合わせている。S-Master HXの出力信号はヘッドフォンのプラス側に直接接続されるが、これは大出力時などでは誤差を含んだ信号となる。

 マイナス側の出力信号はアナログアンプ回路によって、増幅される前の理想信号とS-Master HXの出力を合成され、S-Master HXで生じている誤差を訂正する成分を含んだ信号がヘッドフォンのマイナス側に接続される。

 これによって、ヘッドフォンでの再生時には誤差成分が相殺され、本来の理想的な信号出力が可能になるというわけだ。

 こうした複雑な信号処理のために、チップはプログラム可能なFPGAを採用している。基本的な技術はS-Master HXだが、デジタル処理を行なうチップ自体からして従来のものとはまったくの別物となっているのだ。

 TA-ZH1ESのS-Master HXは、デジタルデータの時間軸を正確に整える「クリーンデータサイクル」、正確なオーディオパルス出力を実現するためのパルス生成回路「S-TACT」、ディスクリート構成の回路による高精度オーディオパルス出力などの技術が盛り込まれている。

 大出力のオーディオアンプでは採用されていないS-Masterだが、ヘッドフォンアンプとしてピュア・オーディオの世界に再びハイレゾ対応のS-Master HXとして復活したのは、ファンとしてはうれしいものがある。

 もちろん、優れたアンプ回路だけでなく、高音質なパーツも贅沢に使用。電源部のトランスは磁束漏れや振動の少ない「Rコアトランス」を採用。マスタークロックには低位相ノイズ水晶発振器、アンプブロック部のコンデンサーには「高音質表面実装コンデンサー」を採用。高音質表面実装抵抗の「ファインサウンドレジスター」(部品にfのマークが刻印されたパーツ)なども使用して音質を練り上げている。

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