ハード、Web、データ分析、機械学習など多くのエンジニアが邂逅
JAWS-UG IoT支部とコラボ!300人で盛り上がった真夏のIoTLT
2016年09月02日 07時00分更新
8月12日、IoTLTとJAWS-UG IoT支部は18回目を迎える「IoTLT」を共催した。アマゾン データ サービス ジャパンの会場には300人を超える参加者で埋まり、立ち見も出る大盛況であった。白熱したLT大会の前半をお送りする。
AWSとIoTとの密接な関係とは?
IoTLTは文字通り、IoTに関するLT(Lightning Talk)を披露するイベント。JAWS-UG IoT支部との共催になる今回で18回目を数えるという。冒頭、挨拶に立ったリレーションズの土屋さんは、「始めたときは30人くらいだったけど、今は毎回200人くらい集まるような勉強会になっている」と盛り上がりをアピール。今回は1人5分のLTを13人こなし、その後懇親会という構成になっていた。
会場提供したアマゾン データ サービス ジャパンの榎並利晃さんは、会場の説明と共にAWS IoTについて説明した。榎並さんはドローンや自動倉庫、Amazon EchoなどAmazonそのもののIoTの取り組みを披露するとともに、デバイスとクラウドを安全につなげるDevice Gatewayと認証、他のサービスとの連携を実現するRule Engine、仮想デバイスを提供するShadowなど、AWS IoTの機能を簡単に説明した。
続いてJAWS-UGの波田野裕一さんはJAWS-UG IoT専門支部について紹介する。JAWS-UG IoT専門支部はJAWS-UG初のハードウェア専門支部で、IoTを支えるAWSアーキテクチャについて議論・研究する場所として昨年6月に立ち上がる。リモートでの勉強会や地方支部とつないだもくもく会などを定期的にやっており、今後はAlexaやCLI支部との共催でもぜひ参加して欲しいとアピールした。
量産の壁にコラボで立ち向かったCocoaBits開発秘話(田中さん・わみさん)
トップバッターとして「littleBitsにつなげる独自デバイスのプロトタイプを作って見えた世界」というLTを披露したのはワンフットシーバス田中正吾氏だ。
LittleBitsは磁石でくっつく電子工作デバイス。PCとやりとりしやすく、Arduinoモジュールも用意されているが、PCやラズパイをくっつけてIoTにすると大がかりになりがちという弱点があった。もっとコンパクトにLittleBitsをネットワークにつなげたいということで、田中さんはWi-FiとArduino的な制御をできるボード(ESPer)を使い、紆余曲折を経てLittleBitsモジュール化に成功した。こうしてできたCocoaBitsにより、Wi-Fi経由でIoT向けのバックエンドサービスであるMilkcocoaとデータの送受信ができるようになった。これが2016年4月までの話だ。
しかし、プロトタイプを作ったはいいものの、目の前には回路図の設計、基盤発注、パーツ実装、ソフト開発など量産化の壁が立ちはだかる。「ハンダ付けの精度が50%」というフロントエンジニアの田中さんにとっては敷居が高かったという。しかし、Nefryというハードの制作者だったわみさんが、偶然CocoaBitのブログ記事の読者で、CocoaBitの開発に協力してくれることになった。強力な援軍を得た田中さんは無事、CocoaBitsは完成。「プロトタイプの次には量産という壁がある、ブログ書いていてよかった、1人でできないことは協力すればいい」とまとめ、LTを締めた。
続いて登壇した学生のわみさんは、前LTのCocoaBitsのハードウェア開発者。IoTデバイス「Nefry」の開発者でもあるわみさんは、「コラボレーションで見えた世界」というお題で、CocoaBits開発秘話をリレーで披露した。
わみさんは、プレゼン内の画像が見えないというトラブルに見舞われつつ、Nefry開発の実績と試作機を参考にCocoaBitsの開発フェーズを披露。「私がハードウェアの設計をしつつ、田中さんがWebの表現やLittleBitsの接続を担当した」とのことで、CocoaBitsの実機でWeb上からハードウェアを制御できる世界をアピールした。
LT登壇者のためのウェアラブルIoTを考えた(武市さん)
ウイングアークのIoTエバンジェリストで、クラウド界隈では集合写真家としてもおなじみの武市真拓さんは「LT登壇者のためのウェアブルデバイスはこれだ!」というLTを披露した。
数々のLT登壇者を撮影してきた武市さんは、「時間が少ない」「1人でボケツッコミしなければならない」「デモも成功させなければならない」という多忙なLT登壇者のためにIoTでなにかできないかを考えてきた。この結果できたのは、心拍数に連動して、LEDが光るIoTパーカー。どれくらい話せるかも、LED表示できるという。「登壇者は残り時間がどれくらいかLEDでわかるし、聴衆はLTerがどれだけテンパっているのか見える」と武市さんは語る。
ウェアラブルの心拍センサーとMotionBoardを連携させたde:codeでの西脇さんのプレゼンをヒントにしたIoTパーカーだが、ネットワークの関係で残念ながらデモはかなわず……。傷心の武市さんは、「告白の時に緊張しているか、気分が本当に悪いのかもわかる。可能性は無限大なので、君も輝こう」とLTを締めた。
この連載の記事
-
第10回
デジタル
キャリアを超えてネットワークを語り合うNW-JAWSが始動! -
第9回
デジタル
カヤックでのAurora移行は「今のところいいことしかない」 -
第8回
デジタル
オルトプラス中田さんが語るAWSとAzure、GoogleのIoTの違い -
第7回
デジタル
Reboot完了!潮風とピザの香りが漂うJAWS-UG横浜に行ってきた -
第5回
デジタル
AWS初心者がまず知っておきたいこと、ハンズラボ吉田さんが語る -
第4回
デジタル
JAWS-UGコンテナ支部で垣間見えたDockerやECS活用のコツ -
第3回
デジタル
AWS運用に耐えうるIT部門は作れる?情シス支部の議論をのぞく -
第2回
デジタル
首都圏の16支部がそろい踏み!JAWS-UG東京、2年ぶり開催 -
第1回
デジタル
キャンセル待ち150人!Security-JAWS第1回で現場の苦労を見た - この連載の一覧へ