暑い夏こそZwiftをオススメする理由
気象予報によれば、この夏の猛暑は9月に入ってからもしばらく続く見込みだという。暑さが苦手な人、そうでない人にとっても厳しい残暑になりそうだ。そんな中、何の対策もとらずに屋外で運動をするのは命に関わる危険なこと。健康のためにジョギングやサイクリングなどをする人が増えているが、長時間運動をする際は熱中症予防のため定期的に休憩したり、こまめに水分や塩分を補給したりして、無理をしないように心がけたい。あまりに暑い日は思い切って運動を休むことも考えるようにしよう。
とはいえ、忙しくてなかなか時間が取れず、運動する日を選べないという場合もあるだろう。かといって屋内でできる運動は単調で飽きてしまいがち……。そこでオススメしたいのが、ロードバイク愛好家の間で注目を集めているPC向けオンラインゲーム「Zwift」(ズイフト)だ。この連載では、「Zwift」とその公式推奨PC、デルのゲーミングノート「ALIENWARE 15」の組み合わせがもたらす体感型オンラインサイクリングの魅力を計3回にわたって紹介していく。
世界中のプレーヤーと同時ライドもOK
インドアでサイクリングを満喫できる「Zwift」
「Zwift」とは、屋内トレーニング用機器(インドアトレーナー)を取り付けたロードバイクやマウンテンバイクなどの実車を使って、仮想空間をサイクリングできるシミュレーションゲームだ。基本操作は、パソコンの画面上に表示されるリアルで美しい風景を眺めながら自転車をこぐだけ。仮想空間内なので天候や交通事情にライド(走行)が左右されず、事故の心配もない。また、画面上の風景や空模様が刻々と移り変わっていくため、長時間でも飽きずに走り続けられる。
「単調さを避けるだけなら、音楽や映像を流しながら自転車をこいでもたいして変わらないのでは?」と思うかもしれないが、「Zwift」は自分の“走り”が仮想空間内のアバターの“走り”にダイレクトに反映される点が大きく異なる。ペダルを回すスピードを速めればアバターのスピードも上がり、緩めればスピードも下がる。
いったいどうやってプレーヤーとアバターの連動を実現しているのか不思議に思うかもしれないが、そのカラクリは意外にシンプル。自転車のクランクなどに取り付けたセンサーでペダルを回す力やスピード、走行距離などのデータを計測してPCに転送し、それを仮想空間内のアバターの“走り”に反映させる仕組みになっているのだ。
他のプレーヤーとのライドは、予想以上に楽しい
面白いのは、世界中のプレーヤーとオンラインでつながっており、仮想空間内で他のプレーヤーのアバターと一緒にライドしたり、スピードを競い合ったりすることもできる点。現実世界の自転車仲間とSNSで申し合わせたり、「Zwift」のために用意されたコミュニティで新しい仲間を見つけたりして、一緒にライドすることも可能だ。自分と同じレベルのライダーと競い合うことで刺激を受けることもできるし、上級者の走りを参考にすることもできる(あまりコミュニケーションをとらず、黙々とひとりで走り続けたい方もいるはずだが、走っているうちに画面上で自分と同じレベルの方がいることに気が付くので、かなり良い刺激になる)。
コースは複数用意されており、アップダウンの激しい山岳地帯から平坦な市街地までさまざまな場所を走ることが可能だ。また、ベータ期間中は架空の南の島「Watopia」につくられたバーチャルコースしかなかったが、昨年の秋に有料化し、正式サービスがスタートすると同時にコースや機能が追加された。なんと、「UCI ロード世界選手権 アメリカ・リッチモンド大会 Richmond 2015」や、ロンドン五輪ロードレース「ボックスヒル」などの著名なレースを再現したコースも選択できるようになった。世界のプロと同じ舞台で走ったり、ビッグ・ベンなどの有名なランドマークを眺めながら走ったりできるのは大きな魅力だ。
これだけ充実したサービスが、月額10ドル(約1004円)という比較的リーズナブルな料金で利用できるのも「Zwift」のポイントだ。しかも、うれしいことに無償トライアルが用意されており、新規ユーザーは最初の2週間に限り50kmまで無料で試せる。興味がある方はひとまずトライアルに参加して、続けるかどうかを判断してみるといいだろう。ただし、漫然と参加していたのではせっかくのトライアル期間を無駄に消費してしまうだけになる。そこで、ここでは実際に利用しているユーザーに「Zwift」の魅力や楽しみ方のポイントなどを取材してみたので、ぜひ参考にしてほしい。