電子回路データをウェブ経由で印刷する「AgICオンデマンド」開始
エージックは8月8日、インクジェット印刷回路のオンデマンド製造サービス「AgICオンデマンド」を開始した。
LEDや電池を専用の光沢紙に置き導電性のある専用ペンで回路を描くと、通電してLEDが光る。このような「紙に電子回路を描く」技術の開発を行なうエージックは、理科教材や技術的性能が要求されない用途向けにAgIC♯1000シリーズと題し家庭用プリンター向け導電性インク及び導電性ペンの展開を行なってきた。その後、産業用途でも十分に使えるフレキシブル回路基板であるAgIC#2000シリーズを確立した。表面にラミネートなど保護加工をすれば10年程度の利用に耐えるという。
AgICオンデマンドは、 AgIC♯2000シリーズのインクジェット印刷回路をさらに簡単に利用するために、ユーザーから送付された回路データを印刷して納品するサービスだ。エージックのウェブサイトからサイズや枚数を指定することで製造料金を自動で見積もり、さらにそのまま印刷する回路データをpdf形式でアップロードして注文ができるという。
企業や個人の回路設計者を主なターゲットとしており、エッチングによって作られることが普通であった回路基盤を印刷にすることで製造プロセスを大幅に簡略化。既存のフレキシブル基板に精度や抵抗値など複数の点で劣るものの、大型化が可能なことに加えて大きなコストメリットを実現し、特に試作時では価格を5分の1以下に削減、 2営業日での出荷を実現したという。料金は5000円からとなっているが、今後1営業日出荷、当日出荷のオプションも設定予定とのこと。
現在実績のある、または想定される応用先としては各種フレキシブル基板の試作に加え、タッチパネル、フレキシブルフラットケーブル、デザイン照明、センサー埋込み型のフィルムなど。