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ソニーの異様なモノづくり現場!その裏側を密着取材したらコレができた

2016年07月25日 11時00分更新

文● イトー / Tamotsu Ito

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 ども、週アス編集部のイトーです。
 いやー、やっと発表できます。宣伝なんですけれど、担当編集としてのヨロコビをお伝えしたくて。

 この数カ月取り組んでいた単行本が今週末、7月30日(土)に発売になります。
 テーマは「ソニー」。といっても、経営の話でも、テレビの話でも、Xperiaの解説でもありません。ソニーの内部で密やかに進行している「新時代のモノづくり」を、ソニーに密着取材した著者・西田宗千佳さんの書き下ろしのビジネス書です。
 タイトルは「ソニー復興の劇薬」。

Image from Amazon.co.jp
ソニー復興の劇薬 SAPプロジェクトの苦闘

僕らの好きなあのソニーが帰ってきた……そのワケ

 ソニーといえば、ここ数年というもの「調子が悪い」「大赤字だ」と言われてきました。それが、今年5月の業績発表では、2015年度通期の営業利益で2942億円の黒字。数字上は3年ぶり、実質的には8年ぶりの黒字復活を遂げました。話題にもなりましたよね。

 これは平井社長の就任以来の大規模な組織改革とリストラを乗り越えたことによるものですが、こうした"止血"を進めながら、社内ではモノづくりに対するスピード感そのものを変えようという動きが始まっていました。
 それが、ソニーの社内スタートアップ支援プログラム"SAP(=Seed Acceleration Program)"であり、本書がテーマとしているものです。

 SAPから世に出たプロダクトには、入社2年目の若手社員がプロジェクトマネージャーになったことで有名なスマート腕時計『wena wrist』のほか、電子ペーパーを使った腕時計『FES Watch』、学習リモコン『HUIS REMOTE CONTROLLER』、身の回りのものをなんでもIoTガジェットにしてしまうIoT電子ブロック『MESH』などがあります。アスキーストアで記録的な販売数を叩き出したスマートロック『Qrio Smart Lock』も、このSAPから生まれた合弁会社Qrioから世に出たものです。
 SAPの取り組みからは、ソニー独自のクラウドファンディング「First Flight」も生まれました。

ソニー復興の劇薬 ソニー復興の劇薬
6月末から一般販売が始まったスマート腕時計「wena wrist」。バンド部分にスマートウォッチとしてのすべての機能を詰め込んだ。 高機能学習リモコンの「HUIS(ハウス)」。画面はタッチ対応の電子ペーパーで、自在にカスタムも出来る。
Qrio Smart Lock。私イトーもリアルユーザー。世界でも類をみない、日本の賃貸住宅事情に配慮された後付けスマートロックです。

 これらの製品、実はどれもが製品に「SONY」とは書かれていません。
 なぜそんなアプローチをとるのか? 経験の浅い新入社員をプロジェクトマネージャー(社内では"統括課長"です)に抜擢するのか? そもそも、ソニーは何を企んでいるのか?

 本書では、トップの平井社長から現場まで、総勢11名の関係者に長時間のインタビュー取材を敢行しました。そのなかには、これまで一度もメディアに出てこなかった"隠し玉"の人物もいました。
 本書取材を進めるほどに感じたのは、「SAPのやろうとしていることは面白い。しかし、ある種の痛みも伴う。いわば劇薬的な性質を持つ」ということです。そういう想いから、タイトルは『ソニー復興の劇薬』になりました。

 どの辺が"劇薬"なのか?それはぜひ本書を手にとって感じてください。

 企業の勤め人なら、まず本書に描かれている”変化を起こし続けること”への困難や苦闘に膝を打ってもらえるでしょう。

 これから就職活動する大学生の皆さんは、これまでまったく語られなかったソニーという大企業の"裏側"が見られるでしょう。

 そして、これから起業しようという人にとっては、新しい選択肢との出会いにもなるはずです。

 7月30日(土)はぜひ、全国の書店、ネット書店でお買い求めください!

Image from Amazon.co.jp
ソニー復興の劇薬 SAPプロジェクトの苦闘

【目次】
第1章 プロジェクトマネージャーは新入社員

 「これが作りたくてソニーに入った」のに......
 社員なら誰でも新規事業を作れるチャンスが到来
 先輩の背中を追いかけてSAPへ
 〝香りの体感〟から〝香りのエンタテインメント〟へ
 「ソニーって最近、何を出しているんだっけ?」
 〝香りガジェット〟の誤算
 SAPが目指すものの正体

第2章 ソニーを侵した大企業病

 持ち込まれるアイデアが〝多すぎる〟ジレンマ
 〝過去のソニー〟の呪縛
 アイデアを〝公平にピックアップ〟する仕組み
 巨大なチーム対小さなチーム
 〝事業部制〟の本質とはなにか
 スマートフォン時代の〝売れる商品〟
 日本の大企業が直面する、社員の〝アカウンタビリティ〟の育て方

第3章 組織を変えるならトップから攻めよう

 経営戦略部門の理想と現実
 ソニーの神話を暴く
 社長直轄で〝社内ベンチャー〟を作れ
 見られていたのは〝パッション〟
 たったひとり・期限半年からの船出
 社内交流会から人材とアイデアを集めて行く
 キーパーソンは〝十時〟氏
 〝育てる仕組み〟はソニーの外で学んだ
 構造改革後の、〝新しいこと〟を始めるメッセージ
 大企業の年功序列型システムはほぼ破綻している

第4章 SAPオーディションと外部協力者たち

 SAP本格始動、「誰もが立てるピッチャーマウンド」とは?
 外部評価者が見たSAPの姿
 SAPオーディション通過後に待ち受けるもの
 SNSの〝情報共有〟でクオリティーを高める仕組み
 他社と強みを生かし合う協業例〝Qrio〟
 『AIBO』の血を引くドローン事業〝エアロセンス〟
 ベンチャーはなぜ〝クラウドファンディング〟を使うのか
  クラウドファンディングへの批判
  「ソニーらしさ」という魔法の言葉を否定せよ
  SAPの信条は「決してプッシュをしないこと」
 
第5章 メーカーの本質とはなにか?
 
 「SAPがソニーを壊すぞ」
 現代はメーカーの〝外〟でも製品ができている
 ハードウェアスタートアップはナゼ難しいのか?
 メーカーのノウハウをハードウェアスタートアップに生かす方法
 SAPを支える加速支援者という専門家たち
 加速支援者が伝えるモノづくり〝秘伝〟のタレ
 クラウドファンディングだからこそ、お客様の〝熱〟を逃がしてはならない
 生産現場に作られた〝SAPファクトリー〟
 〝メーカーの品質〟を支える専門家集団としての法務部
 新規事業が間接部門の経験値も上げる
 SAPに集まる社内に埋もれた知見
 〝兼務〟や〝一時参加〟でソニーの知見を有効活用する人事制度
 
第6章 良薬か、劇薬か、SAPの先にあるソニーの未来
 
 注目度は高くても〝小粒なビジネス〟という批判
 それでも、種は蒔かねば育たない
 大前提として、SAPはコストセンターではなく利益部門である
 S・O・N・Yの四文字に求められる品質
 この世にないビジネスプランを実行する環境を作るために
 〝ソニーを卒業して起業する可能性〟はソニーにとっても良いことだ
 〝ベンチャー対企業〟の二者択一を超えて

おわりに

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