全録チャンネルの録画モードを下げれば
蓄積期間を増やせる
内蔵HDDの大容量にこだわる必要がない第2の理由が、録画モードや録画時間帯の設定で、全録した番組の蓄積期間を任意に調節することが可能だからだ。
単純計算だが、録画モード(圧縮率)を2倍相当にすれば、DR録画した場合に比べて2倍の期間の録画が可能。録画時間帯も放送があまり行なわれない時間帯は録画しないように設定すればその分だけ蓄積期間が長くなる。このあたりの設定が全録レコーダーの使いこなしのポイントだ。
具体的に各モデルでの設定を見ていこう。東芝の場合は、録画モードを5段階から選択できる。DRモードに加えて、2/3/4倍/5.5倍/12倍の6つ。パナソニックの場合は最高1.5~15倍までかなり細かく録画モードを選べる。
テレビドラマやニュースなど、一般的なテレビ番組を対象とする場合、録画モードは東芝ならばAVC中画質(4倍)やAVC低画質(5.5倍)でいいし、パナソニック――特に今春発売の最新モデルであるDMR-BRX7020ならば8倍録でも十分実用レベルだ。
しかし、動きの激しいスポーツの場合はそうはいかない。録画モードが低めだと圧縮によるノイズの増加が目立ち、見づらくなりがちだからだ。
筆者がおすすめしたいのは、東芝ならばAVC高画質(3倍以上)がいい。パナソニックの場合でも5倍録以上を選択したいところ。スポーツ番組でも十分なレベルの録画モードを選んでおくと、ドラマやアニメならばDRモードと比べてほとんど差が感じられないほどの高画質が楽しめるので、スポーツ以外がメインの人でもこの設定はおすすめだ。
BDドライブ内蔵と非内蔵については好みで選ぼう
全録タイプのレコーダーには、BDドライブを内蔵しないHDDレコーダータイプもある。価格が安価になるので、BDへのダビングが不要という人なら検討したい。東芝のD-M430が該当するが、実はネットワーク経由で外部のBDレコや対応したBDドライブへのダビングができるので、BD保存がまったくできないというわけではない。
D-M430は地デジ専用の6ch全録だが、機能がシンプルな分、お買い得度が高い。BS/110度CSは別のレコーダーでカバーする、という人なら問題は少ないだろう。
結局、東芝とパナソニックのどっちがいい?
最新モデルが充実するパナソニックが有利か!?
基本的な全録タイプの選び方や使いこなしは紹介したが、読者目線で言うと東芝とパナソニックのどっちを選べばいい? という最大の疑問が残っているだろう。
結論から言えば、今春の最新モデルで機能的にも改良が進んだパナソニックの方がオススメ度は高い。
ここまで紹介した通り、東芝、パナソニックともに、チューナー数やHDD容量を別とすれば、全録機能に大きな差はあまりない。録画した番組を容易に探すための機能も、東芝ならば「ざんまいプレイ」で、ジャンル別やよく見る番組といった切り口で番組を探せる。パナソニックもジャンル別などでの表示のほか、新着番組として新しい番組や視聴頻度の高い番組をピックアップする機能があり、どちらも見たい番組をすばやく探せる。
全録番組の保存(通常録画領域へのダビング)も双方備えている。東芝の場合はシンプルなダビング機能で、選択した番組を通常録画領域へダビングできる。保存先はHDDだけでなく、BDを選択することも可能。
パナソニックの場合も基本的には同じだが、ワンボタンで手早く内蔵HDDの通常録画領域にダビングする「ワンタッチ保存」が便利。しかも、ドラマなどは「毎回保存」を選ぶことで以後のシリーズ番組を同時で保存することも可能。これはなかなか便利だ。
全録できる放送の種別では、DBR-M590は最大9chのすべてをBSや110度CSを選ぶことも可能。ただし、すべて有料放送を指定した場合は複数のB-CASカードで契約する必要が生じるので、有料放送の9ch全録は(なかなか魅力的だが)実用面ではおすすめしない。
DMR-BRX7020は最大10chの全録が可能だが、このうち5chは地デジ専用なのでBS/110度CSは最大5chまでという制限がある。このあたりは、録りたい放送を吟味すればいいだろう。
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