IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 7月4日~7月10日分
「経営幹部の技術知識欠如が会社の足かせ」が約9割、ほか
2016年07月12日 07時00分更新
本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、調査会社などが先週1週間に発表したIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてざっくりお伝えしています。
■[ユーザー動向]セキュリティ対策、最大の懸念は「コスト」(7/4、ガートナージャパン)
・セキュリティ対策における懸念事項、トップは「コストがかかりすぎる」(21%)
・以下「複雑すぎる」(13%)、「どこまでやればゴールなのかわかりにくい」(12%)
・ガートナーは「ビジネスを守る」という考え方への転換を提言
国内ユーザー企業515社のITリーダーに対する調査。「情報セキュリティは経営課題」と言われるようになったものの、その「ゴール」がわかりにくく、うまくやらなければ投資が際限なく拡大していくことになる。また経営者の理解も必要。ガートナーは「6つの原則」を提唱している。
日本企業の情報セキュリティに関する懸念事項
■[ユーザー動向]IT投資に関する国内CIO調査(7/6、IDC Japan)
・2016年度のIT支出計画、「増加」が大企業で35%、中堅企業で31%に達する
・特に金融と通信/メディアで増加傾向が強い
・投資領域のトップは「セキュリティ」
ここでもセキュリティ投資が大きいという結果。また「IT部門が関与しないIT予算が、過半数の企業に存在する」という実態も明らかに。
年間IT予算の増減、2016年度計画:従業員規模別/産業分野別(一部データのみ抜粋)
■[市場]国内エンタープライズストレージ市場(7/5、IDC Japan)
・2015~2020年の年平均成長率は+0.6%、2074億400万円規模に
・2015年、FC-SANは前年比+4.0%、NASは同+9.6%
・仮想化/クラウド環境向け、オールフラッシュが高成長
オールフラッシュストレージが国内市場でも本格的に立ち上がり、FC-SANの成長を後押し。実効容量単価もHDDより安くなりつつある今年以降、本格的にオールフラッシュへの移行の動きが見られるようになるだろう。
2014~2020年、国内外付型エンタープライズストレージシステム支出額予測
■国内SIEM市場、2015年度は高成長(7/5、アイ・ティ・アール)
・2015年度の国内SIEM市場、売上額は前年度比+16.7%の33億5,000万円
・従来はコンプライアンス対策が主だったが、サイバー攻撃対策での需要が拡大
・Splunkが2015年に高い伸びを示す
多様なセキュリティ製品からログを収集/統合し、ログデータの相関分析によって、標的型攻撃などの“見えない脅威”をあぶり出すSIEM。機械学習/人工知能技術を取り入れた、よりインテリジェントで容易に扱える次世代SIEMも登場しつつあり、より幅広い顧客に普及していくだろう。
国内SIEM市場規模推移および予測
■[ユーザー動向]経営幹部とIT意思決定者のギャップが「デジタル変革」を阻害する(7/5、ジュニパーネットワークス)
・「経営幹部の技術知識欠如が会社の足かせになっている」と考えるIT意思決定者の割合、日本が最多
・日本のIT意思決定者の8割強が「経営幹部が技術知識を備えていたら会社の業績は良くなるだろう」と回答
・自社IT担当者が「5年後に必要なスキルを備えていない」と考えるIT意思決定者、経営意思決定者はともに4割超
日本を含む8カ国のIT意思決定者と経営意思決定者、計2704名への調査。特に日本では、経営幹部のテクノロジー知識欠如、IT担当者のスキル不足など、デジタル変革の推進を阻害する要因が多く指摘されている。
「経営幹部がテクノロジーについてもっと知っていたら、自分たちの会社の業績は良くなるであろう」と考える回答者の割合(出典:ジュニパーネットワークス)

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