VRおじさんの「週刊VRかわら版」 第15回
ボトムズやデレマスの反響でわかる、VRのキラーコンテンツは「なりきり」だ
「巨大ロボに乗りたい!!」という野望にVRが応える!
2016年07月10日 10時00分更新
VR業界の動向に日本一詳しいと自負するエヴァンジェリスト「VRおじさん」が、今週のVR界の出来事をお知らせします!
どもども! VRおじさんことPANORAの広田です。今週もVR系のニュースが山盛りでしたね。一番大きかったのは、HTC NIPPONがPC向けVRヘッドマウントディスプレー「HTC Vive」の店頭販売とデモを全国36店舗で始めたというニュースです(関連記事)。
以前にも連載で取り上げたように、HTC Viveのメリットは、HMDをつけたまま最大4.5×4.5mの範囲を歩けたり、ハンドコントローラーを使ってCGに触れたりというリッチなVR体験を実現してくれる点です。
今までの店頭展示では、お手軽ということもあってサムスン電子の「Gear VR」をはじめとするスマートフォン向けVRヘッドマウントディスプレーが使われることが多く、よりリッチな体験を実現してくれる製品は首都圏に固まっていました。その体験機会が一気に増えたことになります。ネットからの予約もできるので、「展示会に行っても行列ばかりで……」という方は、ぜひ申し込んでみてください。
しかし今回の連載はHTC Viveではなく、今週7日に発表され、ネットで騒然となったボトムズとアイドルマスターのVRコンテンツについて取り上げていこうと思います。要するに、VRの黎明期だからこそ、有名なIP(知的財産)の作品を使うコンテンツの重要性も増してくるよ、という話ですね。
七夕の日にバンナムから強大な2作品が登場
以前の連載でも取り上げたように、バンダイナムコエンターテインメント(バンナム)は東京・お台場のダイバーシティ東京に「VR ZONE Project i Can」というVRアトラクション施設を4〜10月の期間限定でオープンしています。
今週7日0時、このVR ZONEに2つのアトラクションが追加されることが明らかになりました(PANORAの記事)。ひとつはステージに立ってスーパースターになりきれる「スーパースター体験ステージ マックスボルテージ」。もうひとつは往年の名作アニメ「装甲騎兵ボトムズ」のロボットに乗り込める「VR-ATシミュレーター 装甲騎兵ボトムズ バトリング野郎」です。
日本には、アニメの影響で「巨大ロボに乗りたい!!」という野望を抱いている方がヒジョーに多くいます。VR ZONEではそんな方々のニーズに応えるために、ロボットものの「お約束」を詰め込んだ「アーガイルシフト」というアトラクションを用意していました。そこからさらに一歩踏み込んで、有名アニメとのコラボを実現したというのが今回のスゴいところです。
作中に出てくるロボット(AT、アーマードトルーパー)を忠実に再現しようとしているのもポイントです。網膜照射ゴーグルとしてHTC Viveを装着し、ロボットに搭乗すると装甲に覆われた閉じ込められたような狭さを感じるとのこと。さらにCGと連動する筐体に乗って体験するので、原作の雰囲気がバリバリ出ています。
このニュースが流れるやいなや、ネットでは「マジか!」「乗りたい!」「むせる!」(主題歌の歌詞からとった言葉)と、深夜にもかかわらず非常に大きな反応が返ってきていました。Twitterを観測する限りは、普段からのVRファンではなく、元々の原作好きで、VRについてはなんとなく知っていたけど体験しに行くまでも……という方々が引き寄せられてた印象です。
さらに7日の夜には、またまたバンナムがニコニコ生放送の特番にて、PlayStation VRのローンチタイトルとして「アイドルマスター シンデレラガールズ ビューイングレボリューション」を10月13日に発売することを明らかにしました(PANORAの記事)。
アイドルマスター シンデレラガールズといえば、携帯電話向けゲームとして非常に強いファンを抱える作品です。2014年、同作品で1stライブの会場となった舞浜アンフィシアターをバーチャル空間に再現。プレイヤーは客席に立って、両手につかんだ「PlayStation Move モーションコントローラ」でサイリウムを振りながら、ステージにいるアイドルたちに声援を送れるという、ライブの再現コンテンツになっています。
Twitterやニコニコ生放送のコメントでは、「泣いた」「これを待ってた」「帰ってこれなくなる人多そう」といった熱量の高い声が集まっていました。こちらもなんとなくVRは知っていたけど、本作が決め手となってPS VRが一気に欲しくなったという人が急増した印象です。
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