ダークウェブではあらゆる違法商品が公然とやり取りされている
ダークウェブにはありとあらゆる違法コンテンツが集まっている。「Gun」で検索すれば大量の拳銃が見つかるし、「coke」で検索すればコカインがヒットする。コンピュータウイルスもコンピュータウイルスの作成キットも手ごろな価格で販売されている。支払いはビットコインなので、こちらから足が付く可能性も低い。違法商品を探すために、複数のオークションサイトを串刺し検索できる「Grams」というサイトまである。
ちなみに、ドメインの最後は「.com」などではなく「.onion」となっている。ちなみに通常のブラウザでダークウェブを表示できないが、Torブラウザーから普通のウェブサイトを開くことはできる。
ダークウェブのほとんどは外国語サイトなのだが、日本語のサイトもある。活発に活動しているのは、2ちゃんねる風の掲示板サイト「Onionちゃんねる」。ほとんどがドラッグの売買に関する書き込みだが、中には銀行口座や身分証明書などを扱う書き込みもある。使い方は2ちゃんねると同じで、誰でも利用できる。最近は、「Twitterの乗っ取り方を教えてください」といった幼稚な書き込みが増え、初心者が興味本位でダークウェブを使い始めていることがわかる。
ところで、ダークウェブにはGoogleのような検索サイトはない。ロボットが巡回してインデックスを作れるようなところではないからだ。では、どうやって目当てのウェブサイトを探すのか。これはもう腕もしくは人脈だ。
1990年代前半のインターネット黎明期には、Googleなどの検索サイトはなかった。ウェブサイトにアクセスするにはリンク集を辿っていたものだ。ダークウェブも基本的には同じ。目指すサイトの存在とURLを入手する必要があるのだ。これにはいろいろな方法が存在するが、ここでは触れない。
たくさんお客さんに来て欲しい大手のショッピングモールなら比較的URLを入手しやすいし、どうしたって手に入らないURLもある。例えば、ISISは動画や画像をダークウェブで共有していると言われている。そのURLは組織内でトップシークレットとして扱われており、一般ユーザーが知るすべはない。
また、一般的なインターネットと同じようなサービスを期待しているなら肩すかしを食らうかもしれない。ダークウェブのサイトは、金儲けか物々交換を目的としている。閲覧数を増やして悦に入るような人はほとんどいないのだ。つまり、サービスを受けたいなら、ビットコインでお金を払うか、同種のコンテンツをアップロードしてポイントを集める必要がある。違法コンテンツの場合は、この時点でアウト。逮捕される可能性が発生してくる。
ダークウェブは匿名性が高いというだけで、ダークウェブそのものは違法ではない。実は、Facebookはダークウェブにもページを持っている。これは、政府が通信を監視してコントロールしようとしているケースを想定している。インターネット回線さえあれば、ダークウェブ経由で政府に知られずに通信できるというわけだ。