2016年5月24日に、米マイクロソフトのサティア・ナデラCEOが、わずか1日の来日を果たした。今回の来日は、CEO就任以来、2回目。日本では、相変わらず忙しいスケジュールをこなしてみせた。
ナデラCEOは、24日朝から精力的に動き回った。
約140人のビジネスリーダー、スタートアップ企業の経営トップなどと会合
まずは、大手町に向かい、午前8時に経団連を訪問。約140人のビジネスリーダーと懇親するとともに、マイクロソフト自身の企業ミッションやトランスフォーメーションへの取り組みなどを説明する一方、産業界におけるデジタルトランスフォーメーションの重要性、サイバーセキュリティ対策、ダイバーシティの推進などのテーマで意見交換を行なった。
続いて、スタートアップ企業の経営トップなどとの会合に出席。テクノロジーの未来について、また、マイクロソフトが行なっているスタートアップ企業との連携施策などについて情報交換した。
新たなプラットフォーム「Conversation as a Platform」に言及
午前10時からは、芝公園のザ・プリンス パークタワー東京で開催されたITエンジニアを対象にした「de:code 2016」の基調講演に登壇。「すべての人の可能性を拡げるモバイルファースト、クラウドファーストの世界」(Accelerating Digital Transformation in our Mobile-first, Cloud-first World)をテーマに講演した。
ナデラCEOは、マイクロソフトが「Create more Personal Computing」、「Reinvent Productivity & Business Processes」、「Build the Intelligent Cloud Platform」という3つのアンビションに基づいたプラットフォームを提供しているプラットフォーム企業であることを強調。
さらに、3月末に米国で開催されたBuild 2016において重要なキーワードとなった「Conversation as a Platform」について言及しながら、「人間の言葉を理解したインターフェースによって、相手の好みや趣味などを理解しながら、アプリが対話することになる。これは、新たなプラットフォームになる」と説明。具体的な事例として、日本でサービスを行っている女子高生AI「りんな」のデモストレーションを行なってみせた。
また、日本航空が整備士やパイロットのトレーニングにHoloLensを活用していることを紹介。ナデラCEOは、「HoloLensを活用することで、ミックスドリアリティ(複合現実)の環境で新たな方法でトレーニングできるようになる。今後は、エンターテイメント分野や教育分野、医療分野でも活用されることになるだろう」と語った。
日本の開発者にエール
講演の最後には、「日本の開発者たちが、日本の経済を変えることができる。それはデジタル革命が日本の社会や経済を変えるからだ」と発言。開発者出身のナデラCEOらしいコメントで、日本の開発者にエールを送ってみせた。
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