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Apple Geeks 第182回

DCI-P3準拠へと歩むiPhone/iPad - WWDC基調講演で秘められた新技術は、ここにある(2)

2016年06月27日 10時00分更新

文● 海上忍(@u_shinobu)、編集●ハイサイ比嘉

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次のiPhone/iPadは「HDR対応」が進む?

 iPhone 6s/iPhone 6s Plus限定の新機能としてiOS 9で登場した「Live Photos」。静止画(JPEG)と3秒の短い動画(MOV)で構成されるApple独自のフォーマットであり、サードパーティー製アプリでは直接扱うことができなかった。

 iOS 10では、マルチメディアフレームワーク「AVFoundation」を強化、Live Photosで記録するための機能をサードパーティーに公開した。これまではFacebookアプリなど例外をのぞき、純正カメラアプリでなければ撮影できなかったが、今後はLive Photosをサポートするサードパーティー製アプリが増えることだろう。

 この機能、ただ単純に記録用フォーマットとしてLive Photosをサポートしたという話ではない。AVFoundationの「AVCapturePhotoOutput」クラスがiOS 10で拡張され、あらゆる画像生成ワークフローからのアクセスが可能になるという。iPhone 6s/iPhone 6s PlusとiPhone SE、iPad Pro 9.7インチの4製品については、Adobe DNG準拠のRAWフォーマットでの撮影もOKということで、iOSデバイスのカメラとしての存在感はさらに増しそうだ。

AVFoundationが拡張され、サードパーティー製アプリでもLive PhotosやRAWフォーマットでの保存が可能になった。画像は( https://developer.apple.com/videos/play/wwdc2016/511/ )で配布中のPDFより

デジタルシネマ規格「DCI-P3」準拠のワイドカラー撮影

 さらに、一部の端末ではデジタルシネマ規格「DCI-P3」準拠のワイドカラー撮影もサポートされる。UHD(Ultra HD)フルスペックのREC.2020には及ばないものの、HDTVの国際規格REC.709より色域は広く、これをもって「HDR動画レディ」などと名乗るようになるのかもしれない。

 DCI-P3については、Mac側では「21.5インチ iMac Retina 4Kディスプレイモデル」「27インチiMac Retina 5Kディスプレイモデル」のRetina 4K/5K P3ディスプレイとしてサポートしており、iOSデバイスもワイドカラー準拠へと進む可能性は高いだろう。少なくとも、ソフトウェアレベルではHDRの受け入れ体制が整いつつあり、あとはハードウェア次第……次世代のiOSデバイスの姿がおぼろ気に、しかし鮮やかな色で見えたような気がする。

デジタルシネマ規格「DCI-P3」準拠のワイドカラーもサポートされる、ということは……今後iOSデバイスのハードウェアとしてのHDR対応が進化する? 画像は「Working with Wide Color」( https://developer.apple.com/videos/play/wwdc2016/712/ )で配布中のPDFより


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