キヤノンITSの最強文教ソリューション「in Campus Device」とは?
東大変態Macを支えるApple抜きオールジャパン体制に胸熱!
2016年06月28日 17時00分更新
El Capitanルートレスモードの衝撃
しかし、開発を進めていたin Campus Device+vThriiのソリューションは、2015年6月に開催されたWWDC2015でデベロッパープレビューが配布され、同年9月にリリースされたOS X 10.11 El Capitanに苦しめられることになります。このEl Capitanには、セキュリティーを強化するためにSIP(System Integrity Protection)という機能が加わっており、ルートレス(rootless)で動作するように変わっていたのです。
vThriiはストレージとネットワーク(NIC)を仮想化しているため、EFI(ファームウェア)の起動時に仮想化するための特殊なデバイスドライバーを読み込ませる必要があるのですが、ルートレスのためroot権限が取れずドライバーを読み込ませられなくなったのです。in Campus Device+vThriiのソリューションは、当時すでに入札をクリアして2016年3月に東大のECCS2016に導入されることが決まっていました。残り6カ月と時間が限られているところでの事件発生です。Windows端末とは異なり、Macの場合は新OSがリリースされると旧OSを搭載したMacは販売されませんし、基本的にOSのダウングレードもできません。つまり、ルートレスモードを早急に克服する必要があります。
さらに驚いたことに、こんなトリッキーなソリューションを開発していたにもかかわらず、ここまでの開発でAppleに協力を求めたことは一切なかったそうです。しかし、ここでようやくAppleの出番が到来。キヤノンITソリューションズとイーゲルがデベロッパーIDとvThriiのNICドライバーの詳細をAppleに申請したことで、ルートレス状態であってもドライバーを読み込めるようなり、晴れてこの先進的なソリューションが完成しました。