車両火災の嫌な想い出
ワタシが車の免許を取って最初に買ったのは、ホンダの「Z」でした。もう30年以上前の話なので初代の「Z」です。
ホンダZは3ドアハッチバックで、黒い樹脂製のリアハッチを持っていることから「水中メガネ」と呼ばれたりしていました。エンジンの排気量はたったの360cc。当時乗っていたホンダのバイク「CBX400F」よりも小さく、しかもいまでは考えられない空冷式なのでラジエーターもなくて、エンジンルームはスカスカです。
キャブレターが1基のシングルキャブレターモデルと、2基のツインキャブレターモデルがあって、ワタシのはツインキャブレターでした。エンジンが2気筒なのでそれぞれにキャブレターが付く形になり、シングルの31馬力に対して36馬力と、かなりパワーアップされたモデルです。
年式は確か1971年で、購入したのは 1984年なので13年落ちですね。当時は13年落ちというと超古い車という感覚でしたが、意外と程度は良かったように思います。ただ、肝心のエンジンの調子がいまいちで、調べてもらうとどうもキャブレターが壊れかけているとのこと。それで、ソレックスというメーカーのキャブレターに交換したのですが、今度は調整がなかなか難しく、エンジンがかかりにくい感じになってしまいました。
ある夏の日、郵便局から帰ろうと思ってキーをひねりましたが、スターターが回るばかりでなかなかかかりません。で、何度かやっているうちに、ボンネットがもこもこと盛り上がってきて、隙間から煙が。
あわててボンネットを開けてみると、ガソリンが噴き出したらしく、エンジンの上が燃えています。コレはヤバいと思ったのですが、なぜか意外と冷静で、局内に戻って消火器を借りてきました。いまどきのエンジンルームは様々な機器がギッシリ詰まっているので燃え広がりそうですが、スカスカなおかげで延焼もなく無事消火。大事にはいたらずにすみましたが車はそのまま廃車になってしまい、懲りたワタシはなるべく新車を買うようになりました。
が、ここにきて購入したのがハンヴィーです。ハンヴィーというと最近の車に思えますが、じつはもう30年近く前の旧車的存在で、あちこち壊れてもおかしくありません。しかも日本にたぶん20数台しかないので、万が一廃車になったりしたら次に手に入るとは思えません。
ディーゼルなのでガソリンより出火しにくいですが、いつなにがあるかわからないですし、心の安心のため消火器を買いました。たくさんある中から選んだのはLIFELINE「AFFF240H」です。
消火器には種類がいろいろあります
選んだ基準は2つあって、ひとつは車両火災に有効なのは当然として、より自動車に向いている物。もうひとつは見た目のデザインです。
日本では消火器が対応できる火災に3種類あり、A火災が紙や木、繊維など、個体が燃える普通火災、B火災がガソリンなど液体や、グリスなどの半固体の油類による火災、C火災が電気器具や電気施設の火災になります。
消火剤にもいろいろあって、大きく分けるとこれも3種類。粉末系、ガス系、水系となります。粉末系は一般的な家庭用に多いABC粉末消火器、ガス系は二酸化炭素消火器で、水系はさらに強化液消火器、水消火器、機械泡消火器などに分かれます。
また、薬剤噴射方式も畜圧式と加圧式の2種類があります。畜圧式は常に加圧されていて、圧力計がついています。加圧式は粉末消火器で使われていて、レバー操作でガスが発生して薬剤を押し出す仕組み。急に加圧するので、錆びていたり古くなっていると破裂の可能性があります。
このほかにもスプレー式の簡易消火剤などもあって、どれがいいのかサッパリわかりません。
そこで自動車用を検索してみたところ、大型車などには道路運送車両法で設置が決められていて、適合製品がいろいろと見つかりました。もうひとつ見つかったのはレース用です。
LIFELINEのAFFF240Hもレース用の消火器です。イギリス製で、大型車用が一般家庭用と似たデザインなのに対し、英語がメインでハンヴィーに似合う感じ。ハンヴィーからは日本っぽい物をできるだけ排除したいというのもありますし、英語=カッコいいという世代なのでこれに決定です!
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