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「DAIV」をLightroom、Photoshopでバリバリ使ってみる

AdobeRGB比100%の4Kノート! i7-6700K、64GBメモリーの最強構成がスゴイ

文●林 佑樹、編集●鈴木誠史/ASCII

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通信モジュールまでこだわった、充実のスペックをあらためて説明

 ここからは、実際にクリエイティブな作業に使ってみた結果を紹介する。その前に試用モデル「DAIV-NQ7500U1」のスペックをあらためて説明しておくと、CPUはCore i7-6700K、GPUはQuadro M3000M(VRAM 4GB)、メモリーは64GB DDR4 PC4-17000(16GB×4)と充実した構成だ。ストレージは512GB M.2 SSD(「Samsung SM951」)を2基、RAID 0構成にして合計1TBとしている。大容量なデータをやりとりする作業でも、キャッシュとして十分な容量ではないだろうか。

「CrystalDiskMark 5.1.2」の結果。シーケンシャルリードは毎秒3000MBを超え、シーケンシャルライトもそれに近い数値が出ている

 無線LANは、最大867Mbpsの通信を可能とする「インテル Dual Band Wireless AC8260」モジュールを採用。有線LANは「Killer e2400」。Killerシリーズは主にゲーミング向きだが、ゲームに関わらず指定したアプリに対して優先的にネットワーク帯域を当て込んだり、専用アプリを用いてネットワーク使用率監視ができるなど、クリエイターにとってのメリットもある。ただし、インテル製のネットワークカードとは異なるため、念のため自分の環境にマッチするか下調べしておくことをオススメしたい。

「Lightroom」「Capture One」「Photoshop」でチェック
このCPU、メモリーの構成が大きな武器になる

 チェックでは「Lightroom」と「Capture One」での現像、「Photoshop」でのレタッチ作業を行なった。使用したデータは一眼レフで撮影したRAWデータ(非圧縮)だ。写真系アプリケーションを快適に扱えるかはCPUの性能が関わってくるので、デスクトップ向けCPUを採用しているのは大きなメリットだ。

 GPUを使用する拡大・縮小、回転といった操作やフィルター処理も、待ち時間はほとんどナシだった。Lightroomであれば、各種パラメーターの反映はリアルタイムで、部分的な処理をしても体感速度に変わりはなかった。Capture Oneも同様で、カラーバランスを3wayでグニグニいじるも、リアルタイムで効率良く作業が行なえた。

Lightroomでの処理でのもたつきはとくにナシ。赤色の微妙なグラデーションもトーンジャンプもなく、明瞭で調整が楽だった

Capture Oneでの処理。Capture Oneは操作ツールが大きめなのだが、4K解像度のおかげでプレビュー領域を大きく取れる

 1度に500枚~1000枚といった枚数の画像をプロジェクトに突っ込むことが多いのであれば、DAIV-NQ7500U1の構成を特にオススメしたい。カスタマイズするとすればメモリー容量。Lightroomなどの現像アプリケーションのみで作業を完了させることが多いなら、メモリー容量を下げても問題はないだろう。ミドルクラスモデル「DAIV-NQ7500S1」(16GBメモリー/480GB SSD搭載)なら、BTOで32GBメモリーを選ぶことができる。

 反対に、Photoshopでのフィニッシュワークが多い場合や、LightroomやCapture Oneなどの現像アプリケーションを起動しつつ、Photoshopでの作業も並行する場合は、64GBメモリーが効いてくる。Photoshopに1枚ずつ読み込んで作業をするというのは希なケースが多く、筆者の場合だと10~20枚を平行して作業することが多い。

 そうした場合、元のファイル(6K~8K、650dpi、16bit)のサイズがすでに大きく、それぞれに処理を加えていくと、32GBメモリーでは足りないシーンが増える。すべてメモリーに格納できればレスポンスもよく作業時間のカットにつながるため、Photoshopでの作業や映像ソースの処理が多いなら、DAIV-NQ7500U1の構成を軸に考えるべきだろう。またレイヤー数が膨大になるイラストレーションやコミックの場合でも、メモリー容量の大きさは武器になる。

Capture Oneから650dpi、16bitで出力したTIFFファイルをPhotoshopで処理してみた。ワザと迂回して処理してみたが、煙をうっすら書き加えたときも快適なまま。最終的に1ファイルあたり2GB近く消費していたが、これくらいの重さのファイルであれば、一気に20枚読み込ませても問題ないのはDAIVならでは

Photoshopにメモリーを48GB使ってもまだ余裕アリ。メモリー不足でOSが不安定になるのも回避できる

 DAIV-NQ7500シリーズが搭載するQuadro M3000Mは、静止画よりかは動画方面に有効なGPUだ。しかし8K/650dpi/16bitの画像データに対してガウス(ぼかし)を実行した場合も、およそ8秒ほどで処理できたし、12Kにまで拡張してみても17秒程度とステキな快適さ。しばらく待つ必要がなく、気分よく作業できる。GPUでフォローされる処理はアップデートごとに増えているので、今後さらに快適さは上がっていくことだろう。

 最後に、作業時におけるファンの音が気になったことも記しておこう。規定の温度をキープしようとする動きがあり、短時間だがファンが大きめの音を出すことがあった。スタジオやオフィスでの作業用、もしくは屋外でも運用できるワークステーションとしてはピッタリだが、静かな環境下で使う際は気を遣う。ファンの回転を制御して静音性を高めることも可能だが、スペックが高いため放熱性を重視したほうが機材のためだ。

CINEBENCH R15を3回連続で実行した直後の温度分布。キーボード中央の温度上昇が目立つ結果となった。ファンの音は、高いスペックを考えれば致し方ない部分ではある

ちなみにこれが「CINEBENCH R15」の結果。マルチコアで「869cb」、シングルコアで「175cb」、OpenGLが「143.34fps」だ。Core i7-6700Kをデスクトップに搭載させた場合との差はほとんどない

長期間運用を考えているなら、妥協のないスペックを求めよう

 繰り返しになるが、大容量ファイルを扱う編集作業をいくつも並行して行なったりする人はDAIV-NQ7500U1を基準に構成を考えるといいだろう。昨今の画素数の上昇傾向を考えると、長く運用することを前提としているなら、50万7384円(税込)というコストをかけてでも余力あるスペックを持たせておくべきというのが筆者の考えだ。

 4K解像度に対応するAdobeRGB比100%ディスプレーと、デスクトップPC向けハイエンドCPUを搭載したDAIV-NQ7500シリーズは、これまで「ノートPCでは仕事ができない」と思われていた作業を移動先でも行なえるなどノートPCと思えないほど高いパフォーマンスを提供してくれるはずだ。

マウスコンピューター/G-Tune
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