怪しい国へのアクセスをストップ!
さて、そもそも鎖国ルーターで実現できることはいったい何なのだろうか。まだしばらくは絶好機が続くスマホも、昨今は出荷台数の面で多少下降線を辿っているコンピュータも同じ情報機器として、インターネットと縁を切ることのできない情報機器の代表選手だ。
昨今ではいずれの製品にも、内蔵したソフトウェアやデータの破壊や窃盗を行なう可能性のあるウィルスを含む広義の“マルウェア”を少しでも防ぐためにアンチウィルスソフトの導入が推奨されて、それなりの効果を上げている。
企業や個人の情報機器にも古くから使われているファイアウォール(防火壁)やアンチウィルスソフトは、外部から悪意のあるソフトウェアがパソコンやスマホに侵入することを遮断、抑制する仕組みだ。
一方、昨今流行りの“スパイウェア”は、ゲームや少し楽しくて役に立つかも系のアプリケーションとセットで貴方のパソコンやスマホに導入され、使用条件などを“チラ見”して、利用条件の承諾などを簡単にしてしまうと、アプリと一緒にスパイウェアも導入され、ユーザーには気づかれないようなタイミングでウィンドウなどを出すこともなくバックグラウンドで怪しい動作することも多い。
時にはスパイウェアは、勝手に貴方の情報機器の中に保存されている個人情報などを収集して、情報収集を仕事としているマーケティング会社などに送られ集められ、それらの集積情報に価値があれば、最悪どこかに売られてしまう危険性も高い。
これらは多少グレーではあっても違法ではない良心的なケースであって、ユーザーの承認も何もなくても、ネットサーフィンしている時にウェブページのボタンをクリックしただけで、より危険なスパイウェアが入り込んでしまう危険性も高い。
簡単に言ってしまえば“ネットは危険”なのだ。危険とは完全に縁を切ってしまいたいならインターネット回線をブッちぎってしまえば簡単に縁は切れるし、まったく危険もなくなる。
しかし、インターネット上には、危険な反面、有効な情報も数多く、もはやそれを無視して生活は成り立たないところまで我々のライフスタイルは変貌を遂げてしまってきているというのが現代だのだ。
そんなスパイウェアを含む広義のマルウェアの活動を、細かく報告している「情報通信研究機構」(NICT: National Institute of Information and Communications Technology)という公的な研究機関がある。
そしてNICTは、サイバースペース(コンピュータ上の仮想空間世界)を往来するデータの動きを常時観測し、ダークネット(インターネット上で到達可能な未使用IPアドレス空間)のトラフィックを観測し、国別のホスト数やパケット数を捉えて結果を「nicterWeb Top 10 List」としてウェブ上で公開している。
「鎖国ルーター」(MZK-1200DHP-SK)は、この本来飛んで行くはずのないIPアドレス空間になぜか飛んで行くダークネットトラフィックのトップ10に登場する国を“怪しい危険な国”と仮想設定することで、それらの国へのスマホやPCからのパケット送り出し(アウトバウンド)を遮断する機能をルーターの内蔵ソフトウェアとして盛り込んだ新しい発想のハードウェアなのだ。
歴史あるファイアウォールは最初に、まず外部からのパケット(インバウンド)をすべて遮断し、必要な通信ポートのみを後から最小限許可して開けていくというのがスタートのコンセプトだった。
鎖国ルーターはそのファイアウォールを逆さまにしたコンセプトで作られており、鎖国ルーター下で接続されたスマホやタブレット、PCを“鎖国化”して、自らの情報持ち出しや送り出し(アウトバウンド)の情報漏えいを未然に防ぐのが最大の目的なのだ。
従来のファイアウォール(インバウンド)やアンチウィルスソフトに、新しく鎖国ルーター(アウトバウンド)を加える事で、より堅固な安心環境を創りだすことが可能となるだろう。
また鎖国ルーターは単体でWi-Fiルーターとして運用する以外に、既存のルーターのブリッジ機器として運用し、鎖国状態のグループと、非鎖国状態のグループを両立させて運用することも可能だ。

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