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スマホでおなじみシャオミのイヤフォンがマジでヤバい。

5000円以下!? 驚くほど音良いイヤフォンが中国のシャオミからきた

2016年05月15日 12時00分更新

文● 四本淑三

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「進級して驚いた低音」が素晴らしい!

 

 いきなり試してびっくり。これは良いです。ごく当たり前のチューニングが素晴らしい、本当に。

 ダイナミック型1発で大検討している製品といえば、最近ではソフトバンクセレクションの「SE-5000HR」(8800円)の印象がいいですが、それに次いでいい感じです。どうも、ダイナミック型のイヤフォンというと、低音出さなきゃダメみたいな強迫観念が造る側にあるではないか。そう思えるくらい、低音だけブーストして、解像感もへったくれもないチューニングで終わっているものが多いですが、これはダイナミック型の美味しいところがちゃんと活きている。

 高域のレンジ感はそれなりですが、だからといって高域がラフということもなく、減衰の仕方が自然なので気にならない。そしてなにより低域のレスポンスの良さとスピード感。無駄にブーストしていないのでブーミーになることもなく、テンポの速い曲でももたつきを感じることはありません。

 このダイナミック型ドライバーの振動板は、広帯域再生を狙ってPET樹脂と「航空機グレードの金属」の三層構造。またドライバー前後のチャンバー(共鳴室)にポートが設けられ、これによってチューニングを行なっているということです。

 そのチューニングに際しては、レコーディング・エンジニアの「Luca Bignardi」という方が関わられたようです。失礼ながら今までまったく存じ上げなかったのですが、2001年のラテン・グラミーで賞を取られた方ということで、このイヤフォンでも良い仕事をされたと思います。

 そして装着感が実にいい。なにより軽く、適切なテーパーの付いたハウジングの形状、そしてノズルに付いたアングルのおかげで、イヤーピースがヌルヌルとぬけ出すこともなく、長時間の装着でも気にならない。

 ほとんど欠点らしい欠点の見られないモデルですが、唯一惜しいのがパッケージ裏の製品説明。英語や中文など各国語で書かれているのですが、日本語では以下のように書かれていました。

 グラミー賞音楽大家が調整する
 システムはiOSとAndroidの両立ができる
 双共振空洞、進級して驚いた低音

 ちなみに英語は以下の通りです。

 Tuned by Grammy Award Winning mixer
 Dual in-line remote control is compatible with iOS and Android
 Dual metallic resonant chambers provide dynamic sound

 しかし、そんな細かいことを気にしている場合ではありません。最後の「進級して驚いた低音」は意味こそよくわかりませんが、雰囲気は察することができます。私の英語だってひどいものです。中国語に至っては読み書きすらできません。日本語で説明してくれてありがとう。

 まず、このクオリティーの製品が中国から出てきたことに、驚かなければなりません。5000円以下のシングルのダイナミック型として、誰にでもおすすめできるコストパフォーマンスを得ています。相応の立場にある方なら、危機感を覚えるかもしれない程度に良いです。

 残りのハイブリッド型も相当なことになっています。それら2モデルについては、また次回ということで。



著者紹介――四本 淑三(よつもと としみ)

 1963年生れ。フリーライター。武蔵野美術大学デザイン情報学科特別講師。新しい音楽は新しい技術が連れてくるという信条のもと、テクノロジーと音楽の関係をフォロー。趣味は自転車とウクレレとエスプレッソ

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