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クラウド基盤向け、XIVのソフトウェア技術も盛り込んだ高速/高可用性ストレージ

IBMがオールフラッシュ新製品「FlashSystem A9000/A9000R」

2016年05月13日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 日本IBMは5月12日、クラウド基盤向けのオールフラッシュストレージ新製品「IBM FlashSystem A9000」「同 A9000R」の提供を開始した。FlashSystemファミリーで培ってきたハードウェア技術と、「IBM XIV」ストレージで実績のあるソフトウェア技術を組み合わせ、高速なアクセス性能と高いストレージ効率が特徴。

「IBM FlashSystem A9000」(左、8Uサイズ)と「IBM FlashSystem A9000R」

発表会に出席した、日本IBM 理事 IBMシステムズ・ハードウェア事業本部 ストレージセールス事業部長の波多野敦氏

日本IBM IBMシステムズ・ハードウェア事業本部 ストレージテクニカルセールス システムズ・エバンジェリストの佐野正和氏

FlashSystemで培ってきたハードウェア技術+XIVのソフトウェア技術

 IBM FlashSystem A9000は8Uサイズの筐体で、「IBM MicroLatency」フラッシュモジュール×12個を搭載するエンクロージャー×1台と、各種ストレージ機能を実装したグリッドコントローラー×3台で構成される。実効容量は60TB、150TB、300TBの3モデル。A9000Rとは異なり、他の筐体とInfiniBand接続することはできない(基本的には単体利用する製品)。

 一方でA9000Rは、このA9000(ただしエンクロージャー×1台とグリッドコントローラー×2台構成)をグリッドモジュールとして複数台搭載し、InfiniBand(56Gbps FDR)で相互接続した製品となる。グリッドモジュールの追加で容量/性能を拡張することができ、最大実効容量は1.8PB。

FlashSystem A9000とA9000Rの共通構成要素。すでに実績のあるフラッシュモジュールやソフトウェアで構成されている

A9000Rは、各グリッドモジュール間をInfiniBandで接続。XIVのように全モジュールに分散書き込みしてアクセスを平準化するほか、共通の重複排除管理テーブルを持つため高いデータ削減効果を発揮する

 いずれの製品も、IBMがこれまでのフラッシュストレージ製品で培ってきたFPGAコントローラーや「2D RAID」などのハードウェア技術と、XIVストレージの分散データ配置アーキテクチャをソフトウェア化した「IBM Spectrum Accelerate」とを組み合わせたものとなる。これにより、応答時間250マイクロ秒の高速なアクセス性能と、高い可用性を実現する。

独自ハードウェア技術を多数搭載した「IBM MicroLatency」フラッシュモジュール

 またデータ容量の削減技術として、パターン削除や重複排除、専用エンジンによる圧縮を実装している。すべての処理は常時有効になっており、インラインで高速に実行される。

複数のデータ容量削減処理を適用して、効率良くフラッシュアレイを利用する

 プライベートクラウド基盤やクラウドサービス事業者での採用を考え、A9000/A9000Rでは管理アカウントまで独立したマルチテナンシー機能、他の利用者の大きなI/Oに影響を受ける“ノイジーネイバー”問題を解消するQoS機能なども備えている。また、シンプルに操作できるWeb管理コンソールも搭載している。

 なお、従来のIBM FlashSystem製品では最小構成価格が公表されていたが、A9000およびA9000Rの価格については「個別見積もり」(IBM)としている。

デジタル化時代の「レスポンス1秒以内」というアプリ要件を満たすために

 発表会に出席した日本IBM 理事 ストレージセールス事業部長の波多野敦氏は、ビジネスの「デジタル変革」が急速に進む中で、顧客/コンシューマーにサービス応対するシステムでは、より迅速なレスポンスが求められていることを説明した。

 具体的には、従来の基幹業務システム(SoR)では「3秒以内」の応答時間が要件だったが、新しい顧客接点システム(SoE)では「1秒以内」という、より厳しい要件が求められているという。「システム全体で“1秒以内”ということは、ストレージI/Oは“マイクロ秒”のレスポンスでなければ要件を満たせない」(波多野氏)。加えて、その高速性を維持しながら、クラウドスケールの規模も必要となる。今回のA9000/A9000Rは、このニーズに応えるものと位置づけられる。

 今回のA9000/A9000R追加により、IBM FlashSystemポートフォリオは4製品となる。単体のフラッシュストレージアレイである「IBM FlashSystem 900」、「Spectrum Virtualize」ソフトウェア搭載でストレージ仮想化機能を備えた「IBM FlashSystem V9000」はいずれも継続販売される。

IBM FlashSystemポートフォリオは、それぞれ位置付けが異なる4製品となった

 波多野氏は、ディスクストレージも含むIBMのストレージ製品ポートフォリオ全体を示しながら、他社との戦略の違いとして「データを大きく(ハードウェア間で)移動させないために、『Software-Definedのレイヤー』と『ハードウェアデバイスのレイヤー』を完全に分離して、製品を構成している」と説明した。

ソフトウェアとハードウェアを分離し、ソフトウェアは一気通貫で、ハードウェアは顧客ニーズに応じて提供する、という製品戦略

 また同社 システムズ・エバンジェリストの佐野正和氏は、FlashSystemファミリーには「フラッシュチップの能力を最大限引き出す」「従来のRAID以上の可用性を実現する」設計思想が通底していることを紹介。さらにパターン削除や重複排除、圧縮の技術にもIBM独自の特許技術が数多く使われており、「特にクラウド環境、VDI環境では重複するデータが多いので、大きな削減効果が期待できる」と説明した。

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