このページの本文へ

IBMのPOWER8サーバーとフラッシュストレージを採用

資生堂、オールフラッシュで分析基盤を刷新、約10倍高速に

2016年01月22日 12時10分更新

文● 川島弘之/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 日本IBMは1月22日、資生堂が迅速な経営判断を支える情報分析基盤を刷新し、POWER8搭載サーバー「IBM Power Systems」とフラッシュストレージ「IBM Flash System」でシステムを構築したと発表した。分析処理は約10倍に高速化されたという。

 資生堂では、2008年から情報分析基盤で店頭の販売データ分析を行ってきたが、市場トレンドの変化や国内人口の減少に伴い、よりタイムリーな施策を打つことが経営課題となっていた。そこで既存資産を生かしながら性能と拡張性を向上し、店頭売上向上のためのサポート機能を拡張することとなった。

 情報システムに対しては、店頭のPOSデータ増大への対応に加え、オンラインショップなど他チャネルの販売データ統合、および生産から店頭での売上までを網羅する販売管理系システムと、会員顧客の顧客管理・購買分析系システムを集約することが求められていたという。

 そのインフラに、「POWER8」プロセッサー搭載サーバー「IBM Power Systems S824」とフラッシュストレージ「IBM FlashSystem 840」を採用した。本番環境のストレージをすべてフラッシュストレージにすることでI/Oのボトルネックを解消。さらに、サーバーには一台あたり1TBメモリを搭載し、インメモリ技術の採用と適切なチューニングによって、「POWER8」の高速並列処理能力を活かせる構成とした。

 これにより、超高速データアクセスが可能となり、従来比で約10倍高速な分析処理が可能になったという。

 資生堂は今回のシステム基盤刷新により、散在していた販売データ、顧客データ、市場データを一元的に集約。高度な分析を高速に行なうことで、マーケティング担当者はトライ&エラーを繰り返しながらより深い分析に集中し、営業担当者は業務に直結する分析レポートを素早く入手できるようになったという。

 今後、全社員がマーケッターとしてデータ分析を業務で活用し、働き方の変革を目指すという。また、世界規模でのブランド別・地域別分析や、資生堂のオンラインショップ「watashi+(ワタシプラス)」のデータなども合わせて分析することで、よりよいサービスの実現を目指すとしている。

■関連サイト

カテゴリートップへ