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そろそろあこがれのフルサイズ一眼を買おうじゃないか! 第3回

フルサイズ一眼はじめるなら「α7R II」と「PENTAX K-1」をチェック!

2016年05月13日 10時00分更新

文● 周防克弥

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 フルサイズ一眼は、大きくて重くて、高価でプロ向けのイメージが強かった。実際、前回紹介したキヤノンやニコンのフラッグシップ機を含む両社のデジタル一眼レフはその傾向が強い。

 今回は、プロ向けというイメージからの脱却を図り、一般的なデジカメユーザーでも楽しく使える製品を紹介していく。

一般デジカメユーザーにおススメなのは
ソニー「α7」シリーズとリコー「PENTAX K-1」

「α7R II」(オンラインショップで47万3990円)と「PENTAX K-1」(同25万7500円)

 フルサイズ機をデジカメやカメラに慣れてない一般ユーザー層へフルサイズ機を拡大させたのがソニーの「α7」シリーズだろう。

 元々はAPS-Cサイズ素子を採用するミラーレス機でブームに乗り、カメラ好きとはちょっと違うユーザーへアピールし大人気になったミラーレスαシリーズ。そのラインナップに突如登場したフルサイズ機は、APS-Cサイズ機並の大きさのボディーに同じレンズマウントを採用。ミラーレス機から入ってきたライトユーザーを初め、小型で購入しやすいフルサイズ版のデジカメを求めていた人達の中で大ブレイクした。

 最初に発売された「α7」からローパスフィルターレス仕様の「α7R」、画素数を控えめてにして高感度での撮影を強化した「α7S」と続いて発売され、今ではそれぞれの後継機(上位機)も含め、シリーズ全部で6機種のフルサイズ判デジカメをラインナップしている。

 今回はその中でも最高機種にあたる「α7R II」をピックアップした。

 また、最近注目のもう一台のフルサイズ判デジカメがリコーイメージングの「PENTAX K-1」だ。オーソドックスなデジタル一眼レフカメラだが、フルサイズ判の撮像素子を採用しながらも、APS-Cサイズ機並の大きさに仕上がっている。

 キヤノンやニコンに負けないくらい長い一眼レフの歴史を持つペンタックスのすべてがここに集約しているといっていい。

 従来はプロかマニアくらいにしか興味が持たれなかったフルサイズ判撮像素子を採用しつつも普通にカメラとして楽しめる2台だ。

コンパクトでエフェクト機能も豊富
幅広いユーザー層で受け入れられる「α7R II」

α7R IIの前面と背面。フルサイズ判の一眼レフに見慣れると、その薄さに驚く

 大きな撮像素子を採用しつつもミラーレスシステムを採用することで厚みを抑え、銀塩フィルムを使う一眼レフ並のサイズにパッケージされている「α7R II」。本体サイズは幅126.9×奥行き60.3×高さ95.7mm、本体のみの重量は約582gと、コンパクトかつ軽量だ。

側面のカバーを開くと、マイクや音声出力、HDMI出力など、動画撮影時に必要なインターフェースが揃っている

背面モニターは上下のチルト機構を備える。タッチパネルでないのは残念だが、この薄さでチルトできるのはいい

背面モニターは上下のチルト機構を備える。タッチパネルでないのは残念だが、この薄さでもチルトできるのはいい

 撮像素子には世界初の35mm判フルサイズの裏面照射型CMOSセンサーを採用。シリーズにラインナップされているほかの5機種も当然ながらフルサイズ判のセンサーが採用されているが、裏面照射型センサーを採用しているのは本機だけだ。

 画素数は約4240万画素と細かく、記録解像度は7952×5304ドットにもなる。面積比で言えばフルHDの21倍だ。

 センサーは「ファストハイブリッドAF」でコントラスト検出方式のAFと像面位相差検出方式の両方を採用しているため、AF駆動はミラーレスだからといって遅くはない。実用性十分な速度と精度で操作する。動画は4K記録も可能だ。

ミラーレス機なので光学ファインダーではなく、0.5型(約235万画素)有機ELパネルのEVFを採用。背面モニターと同じ映像を見ることができる。視野率は100%確保され、倍率は0.78倍と大きい

ミラーレス機なので光学ファインダーではなく、0.5型(約235万画素)有機ELパネルのEVFを採用。背面モニターと同じ映像を見ることができる。視野率は100%確保され、倍率は0.78倍と大きい

F2.8設定時(左)とF22設定時(右)

 従来の一眼レフの光学ファインダーでは絞ると暗くなってしまうため、常時は絞りが開放で、露光する瞬間だけ絞りが動作する「開放測光」というシステムを採用。このためわざわざ絞込みボタンを操作して被写界深度の確認をする必要があった。

 一方、EVFを使うミラーレスでは絞りが動いても問題は少ないため、α7シリーズのEVFは絞り優先オート時とマニュアル時に設定した値まで絞られる。これによりα7シリーズでは常時被写界深度の確認ができる。

 なお、シーンによってはフレームレートが落ちたりノイズが出たり、AF速度が落ちる可能性もあるので注意は必要だ。

プロでも、プロじゃない人でも使いやすい

 ボディー内に5軸式の手ブレ補正機構を内蔵しているのは「II」型共通。このあたりが一般ユーザーでも使いやすいところで、ほかにも無線LANに対応しており、ネットから追加撮影機能をダウンロードして追加したり、NFCを使用してスマホとの接続が簡単に行なえる。

 最近のデジカメで人気のエフェクト系の機能やHDR(ハイダイナミックレンジ)撮影機能も備えており、本格的な使い方から気軽な日常スナップまで幅広く使える。撮影モードにすべてカメラ任せのフルオート機能を備えているのも便利だ。カメラの知識がなくてもフルサイズ判デジカメが楽しめる。

 もちろん、初心者向けのデジカメというわけではなく、ハイエンド系のマニアやプロでも十分使える。

 防塵・防滴設計のボディーは悪天候での利用でも安心感があり、前述の4K動画機能は最大100Mbpsのビットレートでの撮影が可能なほか、非圧縮映像を外部レコーダに記録できたり、さまざまなカラープロファイル設定が行なえるなど、プロ用のビデオ機材としても使える。

 プロが業務用途に使うことも、普通の人が気軽に日常記録することも、1台でなんでもできるデジカメだ。

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