若い人中心の地方創生にチャレンジしてもらいたい
大谷:いろいろ話を伺っていると、横須賀再発見みたいな意味では、こういう記事もそうですが、われわれのようなメディアが果たせる役割ってなにかありそうな気がしますね。
土屋:Facebookにも地元グループがあって頻繁に情報が挙がっています。
水野:ヨコスカバレーのターゲットはやはり若い人になるので、人材を育てたら、彼らに情報発信してもらうのが一番いいと思う。地域の活性化って、大学生、高校生など若い人がやらないとやっぱりダメ。そこが一番のフォーカスだと思います。おっ、若い人が来た。
江口:遅くなりました!市役所の横で「横須賀テラス」というコワーキングスペースを運営しているNPOの横須賀創造空間の共同代表を拝命している江口です。普段は都内の環境NGOで働いています。
内藤:江口さんはまだ若いですよね。いくつですか?
江口:27歳です。僕らが、ヨコスカバレーと別になぜヨコスカテラスを作っているかというと2つあります。東京に出て行くのは重要だと思うんですけど、せめて週の半分くらいは地元で仕事してもらいたい。もう1つはNPOとして地元の課題をITで解決するということ。これを実現するには、文系の人と理系の人がきちんと議論する場が必要です。その受け皿となるのがヨコスカテラスです。
大谷:先日取材してきた北九州のコワーキングスペース「秘密基地」はまさにそういうところですね。民間が地元の課題を地元の人たちで話し合う場所を提供し、そこに北九州市が自治体として相乗りしている形です。
江口:先日、山口の限界集落みたいなところの話を聞いたんですけど、そこでは配送業者がウェアラブルのカメラを付けています。そこで、独居老人の生活風景を首都圏に住んでいる家族に伝えるという「見守り+生協」をやっているんです。こういうのって、NGOの人だけで真面目に議論してたら、出てこない発想なんですよ。ヨコスカテラスはそういう場所にしたいですね。
外国人ウェルカムで東京から近い横須賀だからできること
大谷:地方創生はいろんな社会実験ができるので、佐賀市のように駐車場を原っぱにして仕事や雑談のできるコンテナ置いちゃうとか、北九州のように行政と民間が手を組んで路上で商売できるようにしたり、いろんなチャレンジができるといいですね。
水野:そう言う意味で、横須賀のすごいところは、外国人アレルギーがまったくないところ。
土屋:確かに。ラーメン屋で横に外国人が食べてても、まったく驚かない(笑)。
水野:たとえば、介護の人材の教育センターを横須賀に作って、外国人を受け入れちゃうとかね。ここを中継点にして、介護で困っているところに人材を送り込むとか。正直、これからどんどん人口減少していくと、移民に頼らないとやっていけなくなる。
相澤:横須賀って外国人ウェルカムじゃないですか。駅前のビルでは幼児向けのバイリンガルスクールがスタートしているし、小学校との連携も狙っています。理系の私立高校を誘致する計画もあるみたいだし、外国人向けの研修センター作るとかも面白そうですね。
内藤:移民受け入れのためのベースキャンプ作るというのはすごいいいですね。うちの会社も、タイやインドネシアに子会社があったり、天津にデータセンターがあるんですが、こうしたアジアの人たちは日本に来たがっている。天津の人たちは社員旅行で沖縄に来るんですが、すごく楽しみにしてます。いろんな事情で中止になったら、会社が傾くのではと言われるくらい(笑)。一方、われわれとしてもアジアの人たちと仕事をするのであれば、日本人の働き方や仕事のやり方をきちんとお伝えしないといけないと思っています。その点、ここなら羽田空港から京急で1本ですし、研修センターとして最適です。
水野:そうそう。東京に近いからこそ、横須賀はがんばれる要素ありますよ。研修センターはぜひやりましょうよ。
土屋:もうすぐヨコスカバレーの活動も1年経つので、東京でイベントやる予定です。われわれの取り組みを知ってもらって、いろんな人に集まってもらいたいです。
内藤:私も社内でイベント立ち上げた経験ありますが、場所を作ると人同士が勝手につながってくれます。ノウハウやプロジェクトを共有するんですけど、普段社内報だけだと読まない人も、話す機会を作れば、聞いてみようかなと思うんです。今回のようにいったんつながりができると、相談だってやりやすいですよ。
大谷:こういう機会ができたので、みんなでなんかやりたいっすね!
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