「自分が使いたいブラウザーがないから作った」(テッちゃん)
「Vivaldi(ビバルディ)」をご存じだろうか。2016年4月6日に、1.0版が正式リリースされたPC向けのブラウザーだ。Internet ExplorerやGoogle Chrome、Firefox、Windows 10のEdge、アップルのSafariなど、すでに飽和状態に見えるデスクトップ向けブラウザーに新顔が登場する。すでに、ブラウザーは似通った機能とデザインに集約されてきており、「なんで今頃出すの?」と誰もが思うことだろう。
そんなVivaldiを開発しているVivaldi TechnologiesのCEOであるヨン・フォン・テッツナー氏が4月25日に来日し、プレスイベントが開催された。場所は、在日アイスランド大使館。まずは商務官のハルドル・エリス・オラフソン氏から挨拶をいただく。アイスランドは世界で最もインターネット普及率が高い国というのは初めて知った。
Vivaldiはインターネットの「ヘビーユーザー」に満足してもらえるブラウザー、とうたっている。テッツナー氏に確認したところ、ヘビーユーザーとは、たとえばIT関連従事者など職業がらインターネットに接する人、といった意味ではなく文字通りインターネットのヘビーユーザーだという。
「インターネットのヘビーユーザーは「自分にとって必要な機能、使いやすいUI」を理解している。私たちはブラウジングを効率的・効果的にする方法を考え、速いだけでなく、ユーザーを第一に考えるブラウザーを目指している」とテッツナー氏。
筆者もベータ版から使い倒しており、すでに「ヘビーユーザーのためのブラウザー「Vivaldiベータ版」を試した」や「「真似したくなるPC活用術」 — 第212回 タブ開きまくりでも快適な超強力PC用ブラウザー「Vivaldi」を使いこなす技」で取り上げている。
ヨン・フォン・テッツナー氏は、日本の元Operaラバーの間では「テッちゃん」と呼ばれているので、愛を込めてそう呼ばせていただく。
アイスランドは人口30万人の国で、テッちゃんはその中の4500人が住んでいる小さな村の出身なのだが、驚くべきことに商務官のドリ氏も同じ出身とのこと。イベントが始まる前、二人が会話に盛り上がっていたが、そう言うことだったのかと納得。
そして、現在はその村にVivaldi Technologiesのアイスランド オフィスを構えている。アイスランドは人口が少ないので、大企業がコントロールするというより、それぞれが独立して主張してやっていくという意識が高い国とのこと。それぞれの考えを尊重して社会を作り上げてくると言う精神は、物作りにも活かされているのだ。