スマホが普及するも日本製スマホは
「修理が難しい」のであまり売られていない
IT関連でいえば、近年のゼロからのインターネットの普及や、スマートフォンの普及が第一に来る。なにせ2000年代前半は、地元民も外国人もパソコンでのネット接続すらほぼできなかったのだ。
ヤンゴンの空港に着いたら、他国同様に簡単にデータ通信のできるツーリストSIMカードを買うことができ、ヤンゴンの街を歩けば、スマートフォンユーザーは少なからずいる。
ただ、真面目な仕事態度が評価されがちなミャンマー人だが、スマートフォンに見入るショップ店員が目立つようになった。スマートフォンという暇つぶし道具の登場で、ライフスタイルが良くも悪くもがらっと変わった。
スマートフォン・フィーチャーフォンショップは商業地で多数見かけるだろう(住宅地ではそれほど多くない)。
一見するとサムスンが強いが、oppoやファーウェイなどの中国メーカーも目立つ。元をただせば中国深セン製ではあるが、タイメーカーのフィーチャーフォンやスマートフォンもそれなりに販売店は扱っている。
先に紹介したように、日本の製品は車であれテレビであれ評価が高いわけだが、日本のスマートフォンについてはほとんど売られていない。スマートフォンショップで、Xperiaユーザーのミャンマー人にあったが「日本製のスマートフォンの品質いいよ。だが壊れたときに修理屋で簡単に直せないのがダメ」と話した。
実はXperiaやiPhoneなど、ミャンマーではあまり売られていないスマートフォンのユーザーもそれなりに見かけるが、ヤンゴンとタイのバンコクの間には多数のフライトがあり、富裕層はバンコクにショッピング旅行によく行くため、よりスマートフォンの選択肢が充実するのだ(タイに隣接するカンボジアやラオスでも似たような状況だ)。
もしヤンゴンに行く機会があれば、「YUZANA PLAZA」という地元民向けショッピングセンターに行ってみるといいだろう。スマートフォン・フィーチャーフォン売り場が広く、中小新興メーカーも含め、多数の機種が売られていてお勧めだ。
また、前述の亜州娯楽城からはそれほど遠くないので、セットで見るとヤンゴンをより楽しめるだろう。
ミャンマー地場企業のアプリが立ち上がりつつある
スマートフォンは普及したばかりだが、何のアプリを利用しているか。筆者自身のヤンゴン訪問時の利用調査と、ミャンマーのスマホ事情が紹介された英中のニュースと合わせてみると「Facebook」と「Crash of Clans」が人気といえる。
中国でスマートフォンが最初に普及したきっかけは「Angry Birds」であったが、人気はずっと続くことなく、別のアプリへと人気はシフトしていった。
そのことを考えるに、ミャンマーでもやがて別のアプリが普及していくのではないかと思う。ミャンマーの地場アプリもいくつか登場している。
まだ影響はないが、ダイヤの原石ではないかと思えるのが、ミャンマー地場企業の「MySQUAR」。同社はミャンマー人向けメッセージングアプリ「MyChat」をリリースし、2015年末にはユーザー数が150万となるとし、ロンドン証券取引所に上場した。
続いて同社は、おもしろネタのシェアを重視したミャンマー人向けSNSツール「Myanmar Fun Memes」をリリース。東アジアや東南アジアで地場のサービスが立ち上がった。
今は、ネットカルチャーが無色のミャンマーでも、MySQUARなどの地場のサービスが台頭し、ミャンマーのネットカルチャーに独自色がだんだんと出てくるのではないか。
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