3月9日から12日まで中国・上海で開催された「Applicance & Electronics World Expo 2016」(AWE 2016)は、中国で最大規模を誇る家電やITの展示会。すでに10年以上の歴史のあるイベントでもあります。今年は先日最新スマホ「Mi5」を発表したシャオミ(小米)も出展。日本のパナソニックや韓国のサムスンなど、大手家電メーカーが多数集まるイベントを取材しました。
上海の展示会と言えば、毎年6月前後に開催される「Mobile World Congress Shanghai」(MWCS)があります。以前は「Mobile Asia Expo」とも呼ばれたこの展示会は、バルセロナで開催されるMWCのアジア版。MWCSは上海国際展示場のホールを3つ使いますが、AWE2016で使うホールは7つ。つまり、それだけ規模が大きいということです。主催者によるとCES、IFAに次ぐ大型展示会を目指しているとのこと。
ハイアールの出展規模が過去最大!?
中国の「GREE」はスマホも家電もつくってる!
出展企業の大半は中国企業ですが、いずれも国際展開しているところばかり。その中でも日本で「R2-D2」型の冷蔵庫を出したりしているハイアールは、ここAWE2016では最大規模の展示ブースを構えていました。なんとひとつのホールのほぼすべてがハイアール。ここまで巨大なブースは筆者もほかの展示会では見たことありません。
他社も含め、出展のほとんどがスマート家電。つまり、スマホなどを使ってコントロールできる家電がズラリと展示されています。ハイアールブースでもTVやエアコンをスマホのアプリを使って操作するデモが行なわれていました。もちろん操作する端末はハイアール製のスマホ。なお、スマホだけの展示コーナーは無く、家電の展示で使われているものの、あちこちのお客さんから「ちょっと貸して」と声がかかるのでじっくり触れず……やはり主役はスマホではなく家電なのですね。
AWE 2016の会場をまわると、IT系の出展はあまり多くなく、家電がメインでした。とはいえ、ここハイアールには女性向けのノートPCも展示。ハイアールとは別の「AWO」というブランドを付けた製品で、大胆なパステルカラーが特徴。おもなスペックはディスプレーが13.3型フルHD解像度(1920×1080ドット)、Core i5-5200U(2コア/4スレッド、2.2GHz、最大2.7GHz)、メモリー4GB、ストレージ64GB SSD、USB 2.0×2、USB 3.0×1など。価格は3999元(約7万円)。昨年のモデルなので後継機が欲しいところですが、スペックを上げて日本での発売も検討してほしいもの。
こちらはグリーの製品。グリーといっても日本のソーシャルゲーム会社ではなく中国企業。空気清浄機を中心に様々な家電を展開中。この壁掛けの絵はよく見ると側面から空気を吸って浄化した空気を出すという空気清浄機。WiFi内蔵でやはりスマホからコントロールも可能とのこと。
同社のブースにもスマホがあちこちに置かれ、空気清浄機のコントロールなどに使われていました。そのスマホもやっぱり自社ブランド品。いまやミッドレンジクラスのスマホならどんなメーカーでも簡単につくれてしまうもの。空気清浄機メーカーが自社製品のコントローラーとして製品を出すのも当然なのでしょう。
どことなくiPhoneっぽいデザインのスマホが増える中、グリーの端末はスクエアな形状でなかなか悪くない感じです。Snapdragon 410(クアッドコア、1.4GHz)に5インチHD解像度(720×1280ドット)ディスプレー、メモリー1GB、ストレージ8GB、メイン800万画素/フロント200万画素カメラのエントリーとミッドレンジの中間的なモデル。発売したのは2015年の春で、このあと新モデルは出さなかったとのこと。家電と一緒に売ることを考えたのでしょうが、中国ではすでに多数のメーカーがスマホを出しているだけに家電ブランドメーカーの参入は厳しかったようです。ブース説明者に聞くと後継モデルの予定はないようでした。