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「見える」からわかる!システム障害の原因をあぶり出すテク 第7回

異なる視点から「見える」2つのツールを組み合わせ、迅速な解決を目指す

「QoEダッシュボード」と「AppStack」でトラブル解決してみる

2016年03月08日 09時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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QoEとAppStackを使って「アプリが遅い」原因を調査する

 では実際に、冒頭で挙げた今月のトラブルの原因を、QoEとAppStackを組み合わせて使って調査する手順を見てみたい。ソーラーウインズのオンラインデモサイトを利用する。

 まずは、QoEダッシュボードで“ネットワークの視点”から見てみよう。「アプリケーション応答時間」ウィジェットのトップ10リストを見ると、アプリケーション応答時間のリストにWindowsのファイル共有プロトコルである「CIFS」のアラートが表示されている。

 さらに、折れ線グラフの表示をCIFSだけに絞り込むと、アプリケーションのレスポンスがおよそ500ミリ秒~7秒の間で繰り返し変動していることがわかる。「レスポンスタイム7秒」というのは異常に遅く、SharePointサーバーはCIFSを使用するので、これがSharePointアプリケーションの動作を遅くしている可能性が高い。CIFSについてさらに調査してみよう。

QoEダッシュボードの「アプリケーション応答時間」。グラフ表示をCIFSだけに絞り込むと、繰り返し大きく変動しているようだ

 さらに「QoEアプリケーション統計値」というリストでCIFSの項目を開くと、「lab-dem-spapp01.demo.lab」というノード名が表示される。これは、CIFSプロトコルを使って通信しているノード(サーバー)だ。ここでも「平均アプリケーション応答時間」にアラートが出ているが、一方で「ネットワーク応答時間(TCPハンドシェイク)」はアラートが出ていない。

 したがって、この段階でまず「CIFSのレスポンス遅延の原因は、ネットワーク側ではなくアプリケーション側にある」と判断できる。

「QoEアプリケーション統計値」を見ると「平均アプリケーション応答時間」に問題があるようだ

 それでは、アプリケーション側のどのコンポーネントがCIFSのレスポンス遅延の原因になっているのだろうか。さらに掘り下げて調査していこう。

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