2016年春モデルのPCは、2 in 1 PCが豊作だった。マイクロソフトの「Surface Book」を筆頭とし、数種の外部モジュールで拡張できるレノボ「ThinkPad X1 Tablet」や4Kディスプレーを搭載しながら、タブレット部およそ7.4mmという厚みに抑えたデルの2 in 1「Latitude 12 7000」など、趣向を凝らし、開発にも大きな手間を注いだであろう機種が目立つ。
また、多くの2 in 1 PCがCPUに最新のインテル製CoreプロセッサーであるSkylakeを搭載し(または選択でき)、ストレージも512GB〜1TBクラスの大容量のSSDが用意されている点にも注目したい。2013年に、インテルが着脱式PCや変形型PCなど、クラムシェル型のPCとしても、タブレットとしても利用できるPCのことを「2-in-1」(インテルによる表記)として提唱しているが、2 in 1スタイルのPCも、3年の時を超えていよいよスペック、構造ともによく練られ、メインマシンとして活躍できるモデルが増えてきたということになると思う。
本特集では、この春注目の2 in 1 PCを抜粋して紹介するとともに、2 in 1 PCならではの使い方やメリットなどを全5回で提案したい。第1回目は、海外メーカーの2 in 1 PCの新製品を紹介しよう。
マイクロソフトSurface Book
2015年10月にマイクロソフトが発表、1月に国内でも販売が開始された着脱式キーボードユニットをそなえるPC。ディスプレー解像度が3000×2000ドットと非常に高く、静電容量式の「Surface Pen」でペンタブレットとしても利用できるデバイス。2 in 1デバイスはクラムシェル型のPCと比べてキーストロークやキーピッチなどが犠牲になっていたり、キーボードユニット側の安定感に欠けるケースもあるが、Surface Bookはタブレット側と同じくマグネシウム合金を採用した剛性の高いキーボードユニットを採用し、ストロークもおよそ1.6mmと深い。慣れ親しんだクラムシェル型PCの使用感を手放したくない読者にもおすすめだ。
主なスペック:13.5型(3000×2000ドット)ディスプレー、Core i7、16GBメモリー、512GB SSD、およそ幅312.3×奥行き232.1×高さ22.8mm、重量およそ1579g、Windows 10 Pro、37万2384円
レノボ「YOGA 900S」
12.5型と余裕のあるディスプレーサイズを持ちながら、厚さ12.8mm、重さ999gという薄さ、軽さを実現した2 in 1 PC。同社によれば、12.8mmは12.5型の2 in 1デバイスとして世界最薄だという。2年前からYOGAシリーズに採用されている「ウォッチバンドヒンジ」を採用し、ディスプレーを360度回転できる。2048段階の筆圧を感知するアクティブペンもオプションで用意しているので、2560×1440ドットの高解像度液晶を生かして手書き入力を使うのもよいだろう。
主なスペック:12.5型(2560×1440ドット)ディスプレー、Core M7、8GBメモリー、512GB SSD、最大10.5時間駆動、およそ幅305×奥行き208×高さ12.8mm、重量およそ999g、Windows 10 Home
レノボ「ThinkPad X1 Tablet」
Core M7を搭載し、10時間駆動をうたう12型「ThinkPad X1 Tablet」。独自モジュールを使い機能を簡単に拡張できるのが特徴のマシンだ。オプションモジュールは、15時間まで駆動時間を増やせるバッテリーや、HDMI端子を備えた小型プロジェクター、RealSenseカメラなど。キーボードはトラックポイント付き、3段階の角度調節ができる。
主なスペック:Core M7、16GBメモリー、1tb SSD、最大10時間駆動、およそ幅291.5×奥行き209.5×高さ9.51mm、重量およそ795g、Windows 10 Pro、24万5700円
デル「Latitude 12 7000」
デルの12.5型2 in 1ノートパソコン「Latitude 12 7000」の特徴は、なんといっても4Kディスプレーだろう。、厚さおよそ8mm、最大10.5時間駆動とモバイル向き。ペン入力も可能だ。
キーボードはバックライト付きのフルサイズで、マウスカーソル制御、タッチパッドジェスチャー機能もある。
主なスペック:Core M5-6Y57、8GBメモリー、256GB SSD、およそ幅291×奥行き193×高さ17.1mm、重量およそ0.76kg、Windows 8.1、20万733円
HP「HP Elite Book Folio G1」
12.5型ノート「HP EliteBook Folio G1」。180度開く4Kディスプレー搭載でありながら、重量が1kg以下というのが興味深い。本体左側にイヤフォンジャック、右側にThunderbolt 3対応のUSB Type-C端子×2を搭載するのみとインターフェースを絞り込んでいるのも大きな特徴だ。
主なスペック:12.5型(2560×1440ドット)ディスプレー、Core M7-6Y75、8GBメモリー、512GB SSD、およそ幅310×奥行き210×高さ15.7mm、重量およそ1.2kg、Windows 10 Home