総務省「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」に基づいて、携帯主要キャリア3社から相次いで発表されたライトユーザー向け料金プラン。月5000円以下という目標は実現された形になっているが、キャリアごとにその内容が異なっている。発表順に詳しく見ていこう(料金はすべて税抜)。
【ソフトバンク】
月1GBのデータ定額+5分以内音声定額で月4900円
まず先頭を切って、年初にライトユーザー向けプランを発表したのはソフトバンク。といっても、実際の導入は4月以降を予定しているとのことなので、後述する他2キャリアの動向を見つつ、内容を変更をする可能性は十分に考えられる。
そのソフトバンクは、シンプルに月1GBのデータ定額「データ定額パック・小容量(1)」(月2900円)を追加する。基本プランは国内音声定額の「スマ放題」(月2700円)、1回5分以内が定額の「スマ放題ライト」のどちらと組み合わせることも可能で、ISP料金をプラスして、それぞれ月5900円、月4900円となる。
ちなみにソフトバンクのデータ定額は月2/5/8GBと続き、月2GBの「データ定額パック・小容量(2)」とのデータ定額での料金差は月600円。ただし、月2GBのデータ定額と「スマ放題ライト」との組み合わせは不可なので(「スマ放題」のみ可)、データ定額は1GBで十分で、通話もあまりしないライトユーザーにとっては安価になっているのは確かだ。
一方でソフトバンクは、Y!mobileブランドでもサービスを展開。「スマホプランS」は月2980円で1GBのデータ定額と1回10分/月300回までの音声定額が利用可能。その上の「スマホプランM」は月3980円でデータ定額は3GBとさらに実用的だ。現在はSIM単体での契約も受け付けており、SIMフリースマホなどとの組み合わせも可能である。
【ドコモ】家族3人を想定し、1人5000円以下を実現
つづいて発表したのはドコモ。ドコモの現行プランは家族でのデータ定額の分け合いが基本になっているが、今回のライトユーザー向けプランも同様で、3人家族で1人あたり月5000円以下という点をアピールしている。3月の開始予定。
具体的には、家族でデータ分け合いが可能な「シェアパック」に月5GBの「シェアパック5」(月6500円)を追加(従来は月10/15/20/30GBのみ)。さらに1回5分以内が定額の「カケホーダイライトプラン」は、従来15GB以上のシェアパックでのみ組み合わせ可能だったものを「シェアパック5」「シェアパック10」にも対応した。
その結果、3人家族で月5GBのデータ定額を分け合い、さらに「カケホーダイライトプラン」を用いた場合、合計が月1万3500円。1人あたり4500円になるとしている。
3人家族で月5GBのデータ定額はいかにも少ない気もするが、ほとんどデータを使わない家族がいるなら、足りるというケースもあるはず。「カケホーダイライトプラン」との組み合わせが広く可能になった点も大きく、家族で意識的に通信料を節約するなら、実用的な内容と言える。
【au】スーパーカケホ+1GBで月4900円
スマートバリューと組み合わせ可なのが強い
最後に発表したのはauで、3月に開始予定。auもソフトバンクと同じく、月1GBの「データ定額1」(月2900円)を追加。しかし、組み合わせ可能なのは、1回5分以内の通話が定額の「スーパーカケホ」(月1700円)のみで、ISP料金を含む合計は月4900円となる。
auのデータ定額は月2/3/5/8/10GBなどと細かく刻まれており、国内音声定額の「カケホ」(月2700円)は月2GBのデータ定額から、「スーパーカケホ」は月3GBのデータ定額から(月2GBは不可なのに月1GBは可)と、微妙に組み合わせが限定されており、月5000円以下を実現するためのムリクリ感が伝わる。
ただ、「スーパーカケホ」+「データ定額1」でも、対応の固定回線加入時に適用できる「auスマートバリュー」が可能で、適用時は月3966円とさらに料金が安くなる点は注目と言える。
★
3キャリアが発表したライトユーザー向けプランだが、月1GBのデータ定額で十分なのかという部分も気になるが(もちろん十分だという人もいるだろう)、やはり間に合わせの組み合わせで月5000円以下を実現した感は否めない。
音声定額やキャリア独自のサービスが不要で、混雑時間帯の速度低下もある程度受け入れられるなら、月3~5GBのデータ通信が利用できて、かつ料金が安価なことはもちろん、サービス内容もシンプルな格安SIMの方が魅力的に見えるのは確かだろう。