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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第444回

表情が面白い! 猫の顔のアップ写真を集めてみた

2016年02月12日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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撮るのが難しいが、夜の猫もいい感じ!

 こちらは昨年、猫宅訪問でお邪魔したロイヤル。見つめ合ってくれたのでレンズが許すギリギリまでよって目のアップを撮ってみた。

ロイヤルの目元。明るめの室内で。きりっとした目がよし(2015年3月 オリンパス OM-D E-M1)

ロイヤルの目元。明るめの室内で。きりっとした目がよし(2015年3月 オリンパス OM-D E-M1)

 私は目が縦に細くなってる方が猫らしくてよいと思うのだが、瞳は丸い方が可愛く見えるのは確かであり、同じように警戒していても、夜だと雰囲気ががらっと変わる。

 ただ、夜の瞳が大きくなってるネコをアップで撮るのはなかなか難易度が高い。猫の目ってよほど暗くならないと丸くなってくれないのだ。

 夜だからといってフラッシュは使わない。周辺のわずかな灯りで撮る。ISO感度を上げ、手ブレしないよう肘をどこかに置いて安定させ、そして猫が止まった瞬間を狙ってたくさん連写する。

 数枚連写を何度か繰り返し、後からブレてないカットを探すのである。

 そうして撮った、夜のサビネコ。夜ならではのしっとりした感じがいい。ISO感度は3200でシャッタースピードは1/13秒。

左右できれいに模様が分かれたサビネコ。かなり暗かったので瞳もでかくなってる。じーーーーーっと見つめ合いながら寒さと戦いつつ望遠で連写。手ブレ補正が強力なカメラを持っていてありがたや(2016年2月 オリンパス OM-D E-M1)

左右できれいに模様が分かれたサビネコ。かなり暗かったので瞳もでかくなってる。じーーーーーっと見つめ合いながら寒さと戦いつつ望遠で連写。手ブレ補正が強力なカメラを持っていてありがたや(2016年2月 オリンパス OM-D E-M1)

 さてあるとき、とある公園で、警戒するでもなくリラックスするでもなく、近寄るとこっちをじーっと見つめてくるが逃げる気配もなく、元気がなくてちょっと不安な気持ちにさせる猫がいた。夏だったから、暑いせいかなと思っていたのである。

 じーっと近寄って広角で顔のアップを撮ってみたらレンズを見つめ返してきた。

広角でぐぐっと寄ったら遠近が強く出てちょっと面白い写真になるかなと、顔に迫って撮ってみた(2015年8月 ソニー Cyber-shot RX100M4)

広角でぐぐっと寄ったら遠近が強く出てちょっと面白い写真になるかなと、顔に迫って撮ってみた(2015年8月 ソニー Cyber-shot RX100M4)

 数日後、その後が気になったのでここの猫ボランティアさんに尋ねてみたところ、ああその子は昨日病気で亡くなったよ、と言われた。

 確かに、ちょっと痩せていたものなあ。夏だからというわけじゃなかったのか。

 あの不安な感じは病気だったからなのかと、合掌。これが最後の写真だったのかもしれない。

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筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/


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