「うんことおっぱいしかなかった」人気アプリ開発者は語る
ユーザーは女性が9割──NTTドコモ・ベンチャーズ出身「ウンログ」
ディス・イズ・ジャパニーズ・ゴースト。ノット・プープ
── なんで「うんことおっぱい」なんですか?
ゲームアプリはすでにあるし、それで遊べばいい。それでうんことおっぱいなんですが、おっぱいはアップルにリジェクトされてたのが目についていたんですよね。
── 「それで」の意味がまったくわからないですけど、リジェクト対象の話ならうんこもおなじです。よく通りましたね。
最初の申請は通ったんですが、アプリをアップデートしようとしたときにアップルからメールが来たんですよ。「我々は気づいてしまった……これはうんちだな?」
── そんなものはApp Storeには置けないぞと。
何条の何項に抵触していてダメだと言うんですよ。うんこという文言を削除して、キャラも削除しろと言われた。でも、それじゃ何も残らないじゃないですか。
── そもそもお通じを記録するアプリですしね。
がく然としてから、「そうだ、これはゴーストだと言おう」と思って。
── 何ですか?
これはうんこじゃない、日本のお化けだ。「ディス・イズ・ア・ジャパニーズ・ゴースト。ノット・プープ」。そう、つたない英語でメールを打ったんです。
── その言い訳で通ったんですか?
通りました。通常1週間くらいで終わる審査が1ヵ月くらいかかったんですけど。
── そこからどうやってヒットまでこぎつけたんですか?
最初にAppBankさんにとりあげていただいて、ランキングが一気に上がったんです。ヘルスケアで上位に入ると、そこから入ってくる方もいて。
── それは相当うれしかったんじゃないでしょうか。
フィードバックをもらえるのが救いでした。「こんなアプリが欲しかった」とか、「便秘が治った、ありがとう」とか。あとは車椅子で排泄が大変な人から「人間としての尊厳をとりもどせた」とか。
── すばらしいですね。「こうしてほしい」という要望も?
「生理の記録をとれるようにしてほしい」というのがありました。「ウンログをひらいている時間が長いので、生理日も記録したい」と。
── 利用者の方は女性がほとんどですか?
95%が女性です。
── 田口さんは本当に少数派なんですね。
健康意識が高い男性って少ないですから。
── そんなもんでしょうかね。
10~30代の女性にとっては「自分がかわいい」というニーズがいちばんなんです。一方、10~30代のモテたい男性にとって健康であることは前提条件なんですよね。健康より金だとか地位に目が向かう。
── ああ~、たしかに男子ってそんな感じですね。
40代を超えると男性比率も高まるんですけどね。内臓系に意識が向いてきて。
── 病気自慢になったり。
だいたい飲み屋で40代が固まると、ポリープの話で盛り上がってますよね。
── ものすごく切ない“あるある”ですね。