このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第337回

Kabylakeは2016年8月末に投入 インテルCPUロードマップ

2016年01月04日 11時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/) 編集●北村/ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

2013年~2016年までのインテルCPUロードマップ

Kabylakeは2016年8月末に投入
ただしデスクトップ版は年末

 次はKabylakeの話である。連載318回でSkylake-refreshがKabylakeとして発売されるという話をしたが、この時はKabylakeの登場時期をそれこそCOMPUTEX前後のタイミングで、遅くてもIDF 2016までには出るだろうと予測していたが、実際にはもっと遅くなりそうだ。

 Kabylakeの一番手はやはりモバイル向けになっており、Kabylake-Uの2+2(2コア+GT2)がWW33、Kabylake-Yの2+2がWW34となっている。WW33は8月の第3週、WW34は8月の第4週で、とりあえずまずモバイルが先行という形だ。

 デスクトップ向けは、Kabylake-Sの4+2がWW50、Kabylake-Sの2+2が2017年のWW06となっている。

 つまり4コア(Core i5/i7向け)のKabylakeが投入されるのは12月の第3週、2コア(Core i3/Pentium/Celeron向け)のKabylakeが投入されるのは、2017年2月の第2週となる見込みだ。

 これとは別に、気になる話もある。それはSkylake世代のハイエンドとなるSkylake-Sの4+4eがやはりWW50(12月の第3週)に投入されるらしい。

 このSkylake-Sの4+4eはeDRAMをBroadwell世代の倍量の256MB搭載するそうで、またチップセットは現在のIntel 100シリーズではなく、Kabylakeと同時に投入されるIntel 200シリーズが必須となる模様だ。

 ただ現状、このSkylake-Sの4+4eに関しては細かい情報が一切不明なままである。そもそもKabylakeではなくSkylakeとしてリリースされるあたりの理由が不明で、また動作周波数も不明で、ひょっとするとNUCなどに向けたBGAパッケージだけの可能性も捨てきれないので、今回は図には掲載していない。

 そんなわけで、Core i7とCore i5に関してはKabylake待ちである。ひょっとするとこの間にもう少し、細かく1bin(100MHz)程度動作周波数を上げた製品が挟まる可能性はあるが、あってもその程度だろう。

 これはCore i3やPentiumも同じで、微妙に1回くらいなにか挟まる可能性はあるが、大きな違いはないだろう。そしてKabylakeそのものは2017年2月まで登場しそうにない。

「Celeron G3900」が直近に発売

 最後はCeleronだ。インテルの使用情報源サイトArk.intel.comには、12月にSkylakeベースの「Celeron G3900」が登録されたが、登場するのは今月になりそうだ。

 今後も多少はラインナップを増やすとは思うが、すでにCeleronのカテゴリーはバリュー向けというよりは長期供給向けになりつつある雰囲気すらある。

 そもそもSkylake全体の供給が足りていないうえ、現状Celeronがデスクトップ向けだけで31製品もあり、SandyBridge/IvyBridge/Haswell/Bay TrailだけでなくConroeコア(!)まで含まれているからだ。

 実際CeleronとPentiumの価格差は30ドルそこそこで、確かにウルトラバリューではあるのだが、性能差を考えると、もう30ドル払ってPentiumにしたほうがマシという感じになってきている。

 それもあってか、一応供給はされるもののあまりラインナップ拡充には熱心ではない感じである。それでも2016年中にもう何製品かは追加するだろうが、その程度だろう。

Cannonlakeの登場は
早くて2017年末

 話としてはこのあたりで終わりだが、最後にもう少し先の話を。Kabylakeの後にはCannonlakeが投入される。これはSkylakeの10nmプロセス版であるが、現状の登場時期は「早くて」2017年末とされる。

 Kabylakeが年末まで延びた理由は、そもそもKabylakeの目的がCannonlakeとの中継ぎなので、あまり早く出しすぎるともう一回中継ぎが必要になってしまう、というマーケティング上の理由らしい。加えて、まだ14nmの歩留まりが十分ではないので、急ぐのも難しいという事情もあったらしい。

 そのCannonlakeの後継がIcelakeである。これは10nmプロセスを使う新アーキテクチャー版であり、FIVRがこの世代で再び復活するとされる。

 ただこのあたりがいつ出るかはインテルの10nmプロセス次第であり、そして聞く限りにおいては猛烈に難航しているらしい。

 このままだと万一できてもBroadwellの二の舞になり、Cannonlakeを事実上スキップしてIcelake、という流れになる可能性も完全には捨て切れないとのこと。ただこのあたりは2018年~2019年の話になるので、現状では確度は非常に低いと考えてほしい。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン