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“パスタマ”事例やレッドハットとの提携、Azureの計画についても言及

共創型の「インテリジェントクラウド」を掲げるマイクロソフト

2015年12月18日 14時00分更新

文● 大河原克行 編集●大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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12月11日、日本マイクロソフトは、同社が取り組むインテリジェントクラウドプラットフォーム戦略について説明した。顧客や競合他社との「共創」によって、クラウドの新しい価値を創出する取り組みについて日本マイクロソフトの斎藤泰行氏が解説した。

Azureの強化にとどまらない3つの野望の1つ

 インテリジェントクラウドは、「プロダクティビティ」、「パーソナルコンピューティング」とともに、マイクロソフトのサティア・ナデラCEOが掲げる「3つの野望」のひとつ。2016年度第1四半期の業績発表では、インテリジェントクラウド分野で、前年同期比14%の成長を遂げており、これを発表したことで、同社の株価が10%以上上昇するなど、株式市場からも注目を集めている取り組みだ。

コンピューティングサービスを社会インフラのごとく利用できるようになるインテリジェントクラウド

 インテリジェントクラウドは、同社が提供するMicrosoft Azureを活用する一方、オープンイノベーション型での協業を進めることを視野に入れた取り組みになる。「Azureそのものの差別化を図るだけでなく、AWSやOpen Stack、VMware、Redhatなどと連携し、マルチクラウド環境を実現することになる」(日本マイクロソフト クラウド&エンタープライズビジネス本部クラウド&サーバー製品マーケティング部の斎藤泰行部長)。

日本マイクロソフト クラウド&エンタープライズビジネス本部 クラウド&サーバー製品マーケティング部 部長 斎藤泰行氏

OSから開発・運用ツール、データベースまで全方位展開する

 斎藤氏が紹介したのは、インテリジェンスクラウドを実現するマイクロソフトのコンポーネント。パブリッククラウドであるMicrosoft Azureの展開だけでなく、Azureと一貫性のあるプライベートクラウドおよびホスト型クラウドの実現に向けた「Azure Stack」や「Windows Server 2016」を提供。また、場所に制限されないインスタンス管理を実現するための「System Center」「Operations Management Suite」、さらにはSQL Serverによるデータプラットフォームの展開のほか、「Visual Studio」や「PowerApps」によるアプリケーション展開、RedHat Enterprise LinuxなどのOSSおよびサードパーティ製品といった他のクラウドで主流となっているプラットフォームをサポートする。

Azureと一貫性のあるプライベートクラウドを実現するための要素

 さらにひとつのIDで多数のアプリケーションにサインインを行なうための「Enterprise Mobility Suite」の提供などを通じて、インテリジェントクラウドプラットフォームを実現する。今後はIoTやAdvanced Analyticsなどの先進ワークロードをサポートするAdvanced Workloadを提供していくことになる。ここには「Cortana Analytics Suite」、「Azure IoT Suite」などの提供も含まれる。

 「次期Windows Serverの開発方針としては、ソフトウェアにより制御されたデータセンターの実現、クラウド型サービスの提供により、顧客のデータセンターと接続すること、画期的なアプリケーションプラットフォームの実現、場所を問わない管理手法の採用の4つがある。Windows Server 2016では、Datacenter Editionに、Software-Defined Datacenter機能を集約して提供することになる。また、クラウド時代に対応するためにコアライセンスモデルを導入した。そのほか、Azure Stackは2016年第1四半期に提供形態を発表する」(斎藤氏)。

 SQL Server 2016については、「もっともセキュリティの高いデータベースであり、最高性能のデータウェアハウスに位置づけられ、業界リーダーとしてのポジションを獲得している」とコメント。「あらゆる機能をビルトインで提供できるのもSQL Server 2016の特徴。すべてのワークロードに必要なものをインメモリ化して提供できる。2社の企業を買収し、モバイルBIの提供によるモバイル機器でのレポーティング機能の提供に加え、SQL R Servicesの提供により、RをSQL Serverにビルトインすることができるようになる」とした。

あらゆる機能をビルトインしたSQL Server 2016

 インテリジェンドクラウドの実現にはID管理が鍵になる。その点、5億2000万のユーザーアカウントを獲得しているAzure Active Directoryでは、SaaSアプリケーションの管理を行なえるようにする。今後、B2C領域にまで広げていく考えも明らかにした。

Azure Active Directoryで幅広いSaaSと連携

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