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スバルの「XV」も大幅改良! 湖畔のワインディングで堪能!

2015年12月06日 15時00分更新

文● 山本晋也 車両協力●SUBARU

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ボディカラーもコーナリングも
軽快さを増したカジュアルSUV「XV」

 スバル「XV」は、そのシルエットからわかる人もいるだろうが、ベーシックモデルであるインプレッサの最低地上高を200mmまで上げ、ルーフレールなどSUVらしいスタイリングに仕上げた派生モデルだ。5ドアハッチバックのスポーツ、4ドアセダンのG4といったラインナップを数えるインプレッサ・シリーズにおいて、国内販売では全体の約4割をXVが占めるというほどで、完全に独立したモデルという位置づけになっている。

 とくに専用のビビッドなボディカラーやユニークな意匠のホイールは、従来からのスバルファン以外のユーザー層にもアピールしているという。2015年の東京モーターショー直前にビッグマイナーチェンジを受け、大幅改良されたXVは、そうしたXVらしさとして期待される部分をとくにブラッシュアップしている。

試乗会はXVのポテンシャルを発揮できる湖畔のワインディングで行なわれた

 「さらなるXVらしさを目指し、デザインと安心と愉しさといった面で高みを追求した」のが、ビッグマイナーチェンジのコンセプト。ひと目でわかる進化ポイントは、躍動感を増したフロントフェイスだろう。グリルをシャープに、フロントバンパーの両脇のアシストランプ部分にクロームメッキをL字型に配して、ワイド感とドッシリとした安定感を視覚からアピールしている。ヘッドライトは、スバル伝統の水平対向エンジンをモチーフとしたコの字型部分を長く、クリアにしている。

 そのほか外観では、特徴的なデザインでアイデンティティーとなっているアルミホイールを、さらにひねった形状とすることで個性を強めた。空色のハイパーブルー、紺色のダークブルー・パールといった青系の新色を追加したのも、今回のビッグマイナーチェンジでのポイントだ。

XVの特徴のひとつ、かなり攻めたデザインのホイール

 試乗に連れ出したのは、新色ハイパーブルーの「XV 2.0i-L EyeSight」、メーカー希望小売価格259万2000円(税込)のトップグレードだ。とはいえ、XVについては2.0リッターガソリンエンジンのAWD(四輪駆動)と、2.0リッターハイブリッドのAWDという2つのパワートレインが用意されているのみで、ガソリンエンジン車の走りは、どのグレードでも大差ないといえる。

今回のマイナーチェンジで新色ハイパーブルーが追加された

 コクピットに腰を下ろして、最初に気付くのは、高級感とカジュアルさが絶妙にミックスしていること。カーナビなどを収めるインパネ部分は、ピアノブラック調パネルにアルミ調のアクセントを加えたもので硬質感がある。一方、手に触れるハンドルやシフト周りは、本革にオレンジステッチがSUVらしい遊びゴコロを感じさせる。よくよく見れば、シートにもオレンジステッチが施され、トータルコーディネートされていることがわかる。

オレンジのステッチで統一されている

 走りについては、すでに前回のマイナーチェンジでステアリングギア比をクイックに変更しているほか、スバルのスポーツモデルであるWRX譲りのクロスメンバーなどサスペンションを支えるパーツをグレードアップしている。さらに、ボディー各部にインシュレーターやサイレンサーを追加することで振動・騒音の抑えることにも配慮した。つまり、SUVらしいスタイルの魅力をアップしながら、走りの切れ味を磨き上げ、さらに快適性についても向上させているというのが、試乗におけるチェックポイントになる。

SUVらしからぬ、軽快な走りを見せてくれる

 試乗コースに選んだのは湖畔のクネクネ道。たしかに、こうしたシチュエーションではハンドル操作に対する車体の動きにおけるタイムラグを「1/100秒レベルで改善した」という効果を感じられる。先の見えづらい曲がり道でも、ストレスを感じずに右に左にヒラヒラと走ることができるのだ。

 ただし、ススッと向きを変えるわりに、そこから先の領域では若干ダルさが出てきて、さらにハンドルを切り込むとググッと向きを変えようとする動きを感じる一面もあった。とはいえ、幹線道路の大きな高速コーナーでの、落ち着いていて自然なハンドリングを鑑みれば、新しいXVのコーナリング性能自体は高まっているのは間違いない。

 豊かなロードクリアランスによるネガを感じさせないスポーティーなフィーリングとなっているので、ついついSUVであることを忘れてコーナリングの期待値が高まってしまうのだ。

 それでいて、滑りやすく段差のあるシーンでは、SUVに期待する走破性は犠牲になっていないが、あくまでもXVはカジュアル寄りSUVであって、スリッピーな悪路走破性を期待するものではないのは、その足元が17インチの環境系タイヤを履いていることからも明らか。SUVとしての基本は高めながら、レジャービークルに要求されるスポーティーでカジュアルというキャラクターを強めたのが、今回の大幅改良を受けたXVというわけだ。

走りの楽しさと、SUVの居住性・利便性を兼ね備えたXV

 また、公道試乗では試す機会はなかったが、ステレオカメラの先進安全技術「アイサイト」に加えて、後方の安全確認をアシストする「アドバンスドセーフティパッケージ」をオプション設定、SRSサイドエアバッグ・SRSカーテンエアバッグを全車に標準装備するなど安全面でもレベルアップを果たしている。

 メーカー希望小売価格は、2.0リッターガソリン車が228万9600円~259万2000円。ハイブリッドは257万400円~286万2000円だ。

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