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ハイエンドオーディオを広げにかかったのではないか

ソニーの本格Bluetoothスピーカー「CAS-1」は大当たり! 気合いに合った製品だ

2015年12月02日 10時00分更新

文● 四本淑三、写真●篠原孝志(パシャ)

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スピーカーの外観はどうってことない四角い箱

 改めて製品の概要を確認しましょう。製品名「CAS-1」の「CAS」は「コンパクトオーディオシステム」の略だそうで、HTCが昔は実は「ハイテックコンピュータ」だったみたいな、若干笑ってしまう類の話です。ですが、ここは型番同様、その気合の表れなのでしょう。

 CAS-1は左右のスピーカーと、アンプそのほかを内蔵した本体の3品セットで基本構成されています。いずれもノートPCの両脇に置くのにいいサイズ感です。これ以上大きくてもウザく、小さくても8万円のありがたみがありません。カラーはホワイトとブラックの2色。

スピーカーのサイズは約幅95×奥行き172×高さ178mm、重さは約1.5kg。一般のスピーカーケーブルが使える接続端子が付いています

 スピーカーは人のすぐ目の前に置いて性能を発揮する「ニアフィールドリスニング」を前提とした設計で、メーカーによれば75cmからの近接聴取に対応するとのこと。

 そんな設計の最近のスピーカーは、OlasonicにしろECLIPSEのタイムドメインにしろ、回析やエンクロージャー内の定在波の排除、高剛性を狙って丸いデザインになっています。が、CAS-1は実になんてことのない、ただの四角い箱で、エンクロージャーの素材も木材というオーソドックスっぷり。

 さらに世間では、位相のズレを嫌ってフルレンジ一発、あるいは同軸2ウェイという構成が流行っていますが、CAS-1のそれは、62mmのウーファーと、14mmのドーム型ツイーターの2ウェイ構成という、またしてもなんてことのないオーソドックスな構成です。せっかくアンプとの3点セットなのにバイアンプ接続ですらありません。

 エンクロージャーはバスレフ構造で、ダクトは底面に開いています。なにか久しぶりという感じです。ワンボックス型の小型Bluetoothスピーカーは、パッシブラジエーター搭載が主流ですから。60Hz-50000Hzという再生周波数帯域を見ると、ひょっとしてローがなくてハイ上がりなんじゃないか、という想像をしてしまいますが、果たしてこのサイズ、この構成で大丈夫なんでしょうか。

バスレフダクトの開口部は底面に。四隅にはスパイク型のインシュレーターが付いています

(次ページでは、「専用DACを内蔵」)

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