小さなボディでSnapdragon 810をどう捌いているのか
気になる発熱だが、極端に熱いというほどではなく、一定の温度に達するとCPUとGPUのクロックを制御する動きをするようだ。またCPU-Zで挙動を見ていると、高クロック側のCortex-A57はほとんど動作しておらず、ほぼクアッドコアもしくは、ヘキサコアに近い状態で動作していた。
もちろん、高負荷時にはCortex-A57側のコア4基が動作していたが、上記の熱しきい値に到達すると、ガクンとパフォーマンスを落とす動きに幾度か遭遇した。普通に使っているぶんにはなかなか遭遇しないが、3Dがグリグリ動くゲームをよく遊ぶ場合は気になるかもしれない。特に3Dグラフィックを多用する場合は顕著だった。
CPU-Zで動きを見たときのもの。ほぼアイドルの状態だ。CPU4-7がCortex-A57で「stopped」になっていることがわかる。インストール時は左スクリーンショットの状態で、Cortex-A57のクロックが上昇していたのだが、クアッドコア状態になるのはほんの一瞬であることが多くあった
ベンチマークは、AnTuTu Benchmark v5.7.1(64bit)で計測した。スコアとしては、前モデルであるXperia Z4を上回る良好な結果で、高負荷な状況でCortex-A57側がしっかりと動作しているともいえる。やはり熱によってスコアの変動が大きく、1回目は62262であっても、続けざまに再テストするとスコアは60134まで落ちた。計測時、室温が18度とひんやりした環境下だったので比較的安定していた感はあり、夏場が不安である。
すっかり無難になったカメラ
カメラについては、より気軽に撮影可能になった。インカメラは510万画素、アウトカメラは2300万画素で、流行の4K録画も引き続き対応している。純正カメラアプリについても大きな変更はないが、露出補正の挙動にメスが入っているようだ。
パラメーターとしては「明るさ」とあり、スライダーの上下で明るくなったり、暗くなったりする。センサーのダイナミックレンジが広くなったのもあるだろうが、いわゆる露出補正的な変化というよりは、カラーバランスにおいてグレー(もしくは黒レベル)の度合いを調整することに近いと感じた。
ともあれ、使い勝手としてはより手軽になったので、細かい部分を気にすることなく撮影できるだろう。またデフォルトではやや明るく撮影する傾向にあるため、少し暗くするとしっとりした感じになることを覚えておくと、撮影が楽しくなるハズだ。
4K録画のテスト。4K録画時は電子手ぶれ補正SteadyShot Intelligent Active Modeはオフなるため、手ぶれが気になりやすい。
また、長時間録画しようとすると発熱問題とぶつかる部分は解消されていない。
【まとめ】ヘビーなことをしなくて、小さい端末ならコレ
Snapdragon 810への対策として、使用するCPU数を制限する形で対応しており、SNSや写真加工といった範囲であれば発熱は気にならない。ゲームをする場合、例えばプレー人口が多いリズムゲームだと急に反応が鈍くなる。その点以外は、シンプルなホームUIもあって扱いやすく、各種レンスポンスも良好だ。
前述のようにカメラ性能も安定しているため、これまでの機種から変更の場合、不満は少ないだろう。小型のスマホは少ないため、貴重な存在だ。
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