最新トレンドを実践するEC事業者に取材し、どのように成果をあげているのかをレポートする「最新トレンドの成功者から学べ! ECサイト研究レポート」。前回に続き、ユニークなアイテムで快適なライフスタイルを提案する「SUPER CLASSIC」を取りあげる。SUPER CLASSICでは、今年5月にリリースされたばかりのAmazonログイン&ペイメントを国内物販で初めて導入し、大きな成果をあげている。はたして、Amazonログイン&ペイメントは、これからのECにおいて必須機能となるのだろうか。
Amazonログイン&ペイメントのしくみと利用方法
Amazonログイン&ペイメントとは、Amazon以外のECサイトに、Amazonアカウントでログインして決済できるサービスだ。サイトを初めて利用するユーザーでもアカウントの作成が不要になるため、ログイン→購入という最短2クリックで購入が完了する。米国では2013年からスタートしており、国内では2015年5月にリリースされた。導入サイトの数は着実に増加しており、10月現在で国内200社、グローバルで数千社を超える企業が導入している。
Amazonログイン&ペイメントの利用要件は、「法人であること」「禁止商材を取り扱っていないこと」の2点だけ。事業規模や、Amazonマーケットプレイスに出店しているかどうかは不問だ。Amazonに問い合わせ後、必要書類を提出すると書類審査が始まり、約1週間で審査結果が返ってくる。無事、審査を通過したら、Amazonログイン&ペイメント用のアカウントを作成し、自社のシステムに実装すれば利用開始となる。
「SUPER CLASSIC」にAmazonログイン&ペイメントを導入するきっかけになったのは、運営会社バリューイノベーションの代表取締役である南 和繁氏が、米国の記事でAmazonログイン&ペイメントの存在を知ったからだ。
そもそも南氏自身、「EC事業者のサイトで購入するのが嫌い」だという。アカウントを作るのが面倒、パスワードを増やすのも嫌、クレジットカード情報も出したくない、というのが理由だ。
SUPER CLASSICのメインユーザーである30〜50代のアーリーアダプターは、欲しい商品をECサイトで見つけると、商品名や型番をコピーしてAmazonで検索して購入するパターンが非常に多いと、南氏は分析している。
「サイトごとにアカウントを作るのは今だけで、いずれどこかに統合されるだろうと予想していました。Amazonログイン&ペイメントを知ったときには『これだ!』と思いました」(南氏)
そこで南氏は、自社サイトの運用・保守を委託しているアイピーロジックに、Amazonログイン&ペイメントの早急な実装を依頼した。
「南社長から話を聞いて、『これは素晴らしい。ぜひやりましょう!』となり、すぐに対応しました。実装期間は3週間もなかったですね。1日でも早い実装をとのことでしたので、やれる範囲で最善を尽くしました」(アイピーロジック 代表取締役の毛塚 傑氏)
Amazonログイン&ペイメントを手軽に利用できるEC-CUBE用プラグイン
Amazonログイン&ペイメントはAPIを提供しているだけで、サイトへの実装はEC事業者側に委ねられている。アマゾン ジャパンの井野川氏は、使いたくても実装できない中小EC事業者にAmazonログイン&ペイメントを普及させる手段として、国内でもっとも使われているECパッケージ「EC-CUBE」用のプラグイン開発を思いついたという。
そこで白刃の矢が立ったのが、SUPER CLASSICを始め、矢継ぎ早にAmazonログイン&ペイメントを実装し、評判の高かったアイピーロジックだ。同社は依頼を受けて約1カ月半で、Amazonログイン&ペイメントに対応したEC-CUBEのプラグインを開発した。
Amazonログイン&ペイメントの審査が通過した後、アイピーロジックに問い合わせ、プラグインをインストールしたらすぐにAmazonログイン&ペイメントを使い始められる。料金は月額5000円だ。