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業界人の《ことば》から第169回

来年春を目標に、PC事業と携帯電話事業を子会社として分社化

富士通の強みは垂直統合だが、甘えの構造が生まれやすい

2015年11月10日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII.jp

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今回のことば

「現時点でPC事業の売却は決めていない。だが、長期的な観点を考えれば、いろいろな選択肢がある」(富士通・田中達也社長)

富士通、PC&携帯電話事業を分社化する計画

 富士通は、来年春を目標に、PC事業および携帯電話事業を、それぞれ100%出資の子会社として分社化する計画を明らかにした。

 今年6月に富士通の社長に就任した田中達也社長が、10月29日に発表した経営方針のなかに盛り込んだもので、「コモディティ領域の事業を分社化することで、経営判断を迅速化。独立した事業として確実な利益体質と成長を目指すのが狙い。これにより、これまで以上に競争力のある新商品を、タイムリーに市場に提供していくことができるようになる」と、分社化の狙いを語った。

 富士通のPCおよび携帯電話事業の売上高は、2014年度実績で7093億円。同社売上高のうち、約15%の事業が分社化されることになる。

 その一方で、グループ内に分散しているIoTに関連する技術や、企画、開発、製造、営業体制を、新設する全社IoT部門に集約し、中核事業として強化していく姿勢も明らかにした。

 「これまではテクノロジーソリューション、ユビキタスソリューション、デバイスソリューションが垂直統合した構造であった。だが、今後は、IoTによって進化する市場にフォーカスするとともに、当社が優位性を持つテクノロジーソリューションに経営資源を集中させ、これを『つながるサービス』としてグローバルに展開し、競争力を高める」と語る。

これからの中核事業はIoT

 富士通は、中核事業としてIoTを位置づけることを明確に示したわけだが、「PC事業は、IoT時代において、エッジを担う製品として、データを取り込むという点でも重要である。ハードウェアの重要性は大きい」とするものの、「これからのIoT時代は水平分業の時代となり、様々なチャンスが出てくる。PC事業は、当社のインテグレーションのなかでも活用できるが、それを切り出して、独立した事業体として、グローバルで戦うことに挑戦してもらいたい。当社のPC事業の特徴はきめ細かくニーズに対応していくことにある。そうした特徴を生かしながら、事業として独立し、外の空気にさらされながら、市場をきちっと捉えていくことで、これまで以上に強さを発揮してもらいたい」と田中社長は語る。

 IoTを中核事業とする一方で、PC事業および携帯電話事業は中核事業の立場から離れたものに位置づけられた、といえなくもない。

 では、なぜ、富士通はPC事業および携帯電話事業を分社化するのか。

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