太陽電池と蓄電池のパワコンそれぞれを
一体化したパワーステーション
そこでパナソニックが提案するのが、太陽電池のパワコンと、蓄電池のパワコンを一体化したパワーステーションである。
同社では、2012年からパワーステーションを製品化。2015年2月には、第3世代の製品を市場投入。「元祖創蓄メーカーとして、長年の市場実績とノウハウを活用。ハイブリッドパワコンとして、市場ニーズを反映したものを提供している」と、パナソニックの北村部長は胸を張る。
パワーステーションでは、マルチストリングPVコンバータにより、高効率化を実現。太陽光発電の屋根への設置スペースを有効活用して、太陽電池搭載可能枚数を向上できるほか、回路ごとにMPPT制御機能を搭載することで、太陽電池の発電効率を高めることができたという。また、複数直流入力システム用系統連系保護装置等の認証において、第一号認証を取得。標準化にも対応していることを強調した。
さらに、蓄電池制御においては、双方向絶縁型蓄電池コンバータにより、多様な動作モードに対応可能なシームレス充放電制御を実現。高周波絶縁方式の採用により、安心で安全な多機能充放電を実現しているほか、自立運転制御により、停電時バックアップにも対応。エネファームとの3電池連携も可能にしているという。
「太陽光発電や複数の蓄電池を結び、エネルギーのベストミックスを実現するDCバス制御が、パナソニックの住宅用創蓄システムの特徴。独自方式により、日射変動などによる太陽光発電の急激な電力変動時にも安定した連携動作を行なえる。また、EVを接続したV2H(ビーグル・トゥ・ホーム)においても威力を発揮する。蓄電池とV2Hは親和性が高く、DCバス制御においては、双方向性を持つ電池として、EVを認識。このプラットフォームをそのまま利用できる」という。
さらに、先に触れたように、売電価格と買電価格との変化によって、利用環境が変化した場合にもハイブリッドパワコンの活用は有効だという。
「現在は、夜間の安い電力を蓄え夕方や夜に使用して、電気代を節約する経済優先モードで使用している。今後自給自足の時代が訪れれば、太陽光で発電し、余った電気を蓄電池に蓄積し、これを夜に使用。電力会社から購入する電気をできるだけ減らすことで、ゼロエネルギーハウス(ZEH)を実現できる。さらに、常に充満電状態で待機し、停電に備えるという蓄電優先モードも用意している。目的にあわせて3つのモードを用意しており、時代の変化とともに使い方を変えることができる」とする。
また、ハイブリッドパワコンを導入した方が、現時点でも、太陽光パワコンと蓄電池パワコンを別々に導入するよりも、約30万円安く導入できるコスト効果もある。通常の使用でも、エネルギー変換ロスが少ないというメリットがある」として、ハイプリッドパワコンの強みを訴求する。