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パナソニック、"25年間無償保証の太陽電池モジュール"生産工場を公開

2015年09月04日 11時00分更新

文● 大河原克行、編集●ハイサイ比嘉/ASCII.jp

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 パナソニック エコソリューションズ社は、滋賀県大津市のソーラービジネスユニット滋賀工場を報道関係者に公開した。また、太陽電池モジュールの25年間無償保証を実現した新製品を2015年9月24日から受注することも発表した。同製品は、245Wに出力を向上させており、滋賀工場で生産されることになる。

パナソニック エコソリューションズ社 ソーラービジネスユニット滋賀工場

滋賀工場はいまだに法人格を残す三洋電機の看板が掲げられている

滋賀工場の全景

 パナソニック エコソリューションズ社エナジーシステム事業部ソーラービジネスユニット・吉田和弘ビジネスユニット長は、「太陽電池だけでなく、パワコン、蓄電池、エネマネ関連機器を生産。さらに、販売・サービスまで一貫して自社で事業を推進。こうした企業は世界でみてもパナソニックだけである。

パナソニック エコソリューションズ社エナジーシステム事業部ソーラービジネスユニット・吉田和弘ビジネスユニット長

 約15万店の販売網や約8000店の登録施工店による充実した国内の営業、サービス体制、施工品質を含めたトータルケアによる世界トップレベルの信頼性、世界最高のモジュール変換効率を実現するといった特徴をもとに、長期間安心して使っていただける高性能な太陽光発電システムを提供できる。追求しているのは、発電品質。今回の新製品は、さらに品質を追求した製品である」とした。

 同社では、セル変換効率として25.6%という世界最高の変換効率に加えて、量産モデルに近いプロトタイプモジュールでも、世界最高となる22.5%を達成したという。

 また高い品質を実現するために、冷熱衝撃試験、光複合試験、限界荷重試験など、20種類以上の独自試験を実施。「過酷な屋外環境に耐えうる高い信頼性と、高い発電性能の両立を実現している」とした。

 さらに、「今後も、太陽電池モジュール HITの高効率化や信頼性向上に向けて技術開発を進めるとともに、施工性の改善なども進め、発電品質のさらなる向上に取り組んでいく。また、オールパナソニックとして、トータルエネマネを実現することで、豊かで、快適な生活を提供したい」と述べた。

 今回、同社が発売する新製品は、同社独自のPS(プッシュ&スライド)工法に対応した「P250αPlus」(価格17万3000円)、「P120αPlus」(7万1000円)と、現行工法による「245αPlus」(14万5000円)、「120αPlus」(7万1000円)の4モデル。価格はいずれも税別、工事費別。現行機種に比べて1万円高となっている。

新製品4モデル。左から「P250αPlus」、「P120αPlus」、「120αPlus」、「245αPlus」

 従来からの高効率化技術に加え、パナソニック独自の「ヘテロ接合の界面清浄化技術」により、ヘテロ接合界面の再結合損失と抵抗損失を低減。発電時のロスを低減し、モジュールの出力アップを実現したのが特徴だ。従来の244Wから、1W向上の245Wとしている。

 「わずか1Wの上昇ではあるが、25年間のトータル発電量でみれば大きな差になる。P250αPlusでは、結晶系シリコン太陽電池に換算すると269W相当の出力を実現している」(パナソニック エコソリューションズ社マーケティング本部エナジー商品営業企画部商品営業企画グループ・山田眞グループマネージャー)という。

パナソニック エコソリューションズ社マーケティング本部エナジー商品営業企画部商品営業企画グループ・山田眞グループマネージャー

業界最高の25年間無償保証を実現

 また、太陽電池のインゴットから製品までの一貫生産による製品設計および生産の高品質化、40年間蓄積した解析評価技術やノウハウを活用。セル接続技術などの開発により、高信頼性を追求。25年間の無償保証を実現した。

 「これまではモジュール出力保証が20年、モジュール機器保証は15年であったが、これをいずれも業界最高の25年間とすることで、長期の安心を提供できる」とした。

 さらに、最上位機種の「P250αPlus」および「P120αPlus」では、モジュールと架台の両方を改良した「PS(プッシュ&スライド)工法」により、設置したモジュール間の狭小化を図るとともに、高い意匠性を実現。架台フレーム上をスライドする固定金具を使用し、モジュール取り付け時に電動工具を使わずに、モジュールを差し込むだけの簡易な取り付けを実現することで、施工性をさらに向上させた。これにより、現行工法と比べて取り付け工数を削減し、取り付け時間の短縮と安定した施工品質を実現したという。

PS工法による作業の様子

 「PS工法は、施工品質を追求したものであり、モジュール間の幅が従来工法では27mmであるのに対して、PS工法では約7mmと狭小化したことで、美しい外観を実現できる。また、従来の工法では3列4段のモジュールの取り付け時間が4時間55分かかっていたが、これが2時間48分に短縮できる。また梱包材を大幅に減らし、総部品点数では605点から497点に削減。環境負荷の低減にもつなげている」という。

 新製品で今後5万セットの販売を目指すという。

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