パナソニックは、住宅用エネルギー創蓄連携システムに関する取り組みについて説明。「住宅用創蓄システムは、時代の変化とともに活用方法が変わってくる。目的にあわせて利用方法を選択できるシステムを導入することが必要」などとした。
従来の住宅用エネルギーシステムは、創エネのための太陽光発電の導入が先行しており、蓄電池に関しては、これとは別の動きとして2011年頃から停電に対する安心感という観点から需要が高まってきていた。だが、ここにきて、太陽光発電と蓄電池がセットで提案されることが一般化するとともに、停電対応の用途よりも、電気代を削減するために蓄電池を導入するといった動きが増加しているという。
パナソニック エコソリューションズ社エナジーシステム事業部スマートエナジー事業推進部 北村常弘部長は、「太陽光発電と蓄電池によるセット提案が増えているのは、電気代高騰への不安に加えて、太陽光の出力抑制への対策、さらに、売電の仕組みがなくなることへの不安などが背景にある」と語る。
これまでは、売電が40円に対して、買電が25円であり、余剰電力は売電する方が儲かるという仕組みであったが、2015年には、売電が33円に対して買電が30円となっており、売電の魅力が減少している。
これに伴い、昼間は太陽光発電の電力を使用。価格が10円程度と安い深夜電力を蓄電池に蓄積して、夕方や夜間などの電力消費に利用するといった使い方が中心になると想定される。
さらに、2019年以降は、売電価格が30円以下、買電が30円以上となると見られ、利益メリットが薄い売電よりも、自家消費が増加。電気の自給自足の時代が訪れると予測する。
「使用電力が月500kWhの家庭の場合、太陽光発電だけでは34%の自給率であるものが、5.6kWhの蓄電池を組み合わせると60%の自給率に高まる。さらに、11.2kWhの蓄電池を利用すると自給率は86%となる。家庭で使う電気の約6〜9割をまかなうことが可能であり、ここに創蓄システムのメリットがある」とする。
また蓄電池は、太陽光発電における出力抑制の動きにも有効に働くと見ている。
出力抑制により、売れずに余った電力を蓄電池に充電し、それを自家消費するといった活用が可能であるからだ。
ただ、この際には、太陽光発電のパワーコンディショナー(パワコン)と、蓄電池のパワーコンディショナーを別々のシステムとして導入すると、一般的には、太陽光パワコンから、蓄電池パワコンへと余った電力がまわせず、余剰電力を蓄電池に蓄電できないといった問題が起こる。