双方向、リアル、実学
1点目は授業の双方向性。
ニコニコ生放送を応用した新しい授業システムを開発。さらに習熟度に応じて授業内容が変わるような、インタラクティブ感ある授業を設計する。また通常の高校と同じように1クラス40人で担任教師がつき、個人的な質問や相談もできる。
「ネットでは今、ハーバード大学や東大の授業も一部無料で公開されている。しかし今は動画として撮影しているものを見るだけ。本来インターネットは生徒1人1人に応じて中身を変えるような双方向性ある映像授業のあり方があるはず。我々はそれをいち早く取り入れたシステムを開発したい」(川上社長)
2点目は「リアル」の充実。
ニコニコ超会議を「文化祭」と位置づけ、池袋の複合施設ニコニコ本社を「自習室」として開放。なぜかネットの学校なのに“制服”までつくる。ちなみに前から見るとブレザー、後ろから見るとセーラー服というこだわりがある。
沖縄本校にくわえて、グループ企業バンタンの東京・大阪校舎でスクーリングができるような状態も整える。ニコニコが進めてきた「ネットとリアル」の融合というテーマを学校に応用するということなのだろう。
また、インターネットといっても「友だち」同士の関係は保つ。
生徒1人1人にはチャットツール「Slack」のアカウント、またドキュメント共有ツール「GitHub」のアカウントを発行し、友だち同士でも話ができるようにする。今後は生徒が生徒を教えるチューター制度なども導入したいという。
3点目はプログラミング教育など実学分野だ。
たとえばドワンゴ現役エンジニアによるプログラミング授業。ウェブ技術やコンピューターサイエンスを教え、人工知能にまつわる講義も展開する。特別講師にはまつもとゆきひろ氏など著名な技術者を迎える予定。
「世界的にプログラミングを初等教育の必須教養に取り入れるべきだという議論はされている。現代の日本でプログラミングができれば100%食っていける。うちの高校を出てプログラミングを習得できれば社会で必ず職がある」(川上社長)
ちなみに授業内容は「ドワンゴ社内の講義をそのまま使う。現役のエンジニアが受けるコースが元になっていて、エンジニアじゃない人でも何ヵ月か特訓すれば、初期のニコ動と同じようなものが作れる」(川上社長)という。
しかし、教育業界関係者にとってのインパクトはもう1つある。